自然豊かな観光大国ニュージーランドで水質汚染 「100%ピュア」は看板倒れか
「オウンゴール」
主力産業である酪農と観光が直接、NZの国内総生産(GDP)2000億ドル(約22兆円)に貢献している割合は、それぞれ約3.5%と6.1%だ。
人気映画シリーズの「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」で理想的な背景となった、滝の連なる河川や汚れない森林、青々とした牧場といった同国の美しく自然豊かなイメージに、どちらの産業も依存している。
人口密度の低いNZの国土は、英国や米カリフォルニア州程度の広さの山岳地域だ。その4分の1以上が自然保護地域や国立公園に指定されている。
中国が旅行シーズンのピークとなる旧正月(春節)を迎える2月には、NZに大量の観光客が押し寄せると見込まれており、自然環境に対してさらに負担をかけると住民は危惧している。
2018年のデータによれば、NZを訪れる観光客のうち、中国人は隣国のオーストラリア人に次ぐ第2位だった。
住民が恐れているのは水質汚染だけでなく、ベネチアやボラカイ島、バリ島などで見られたように、大量の観光客やキャンパーが、同国の代表的な名所を台無しにしてしまうことだ。
ベネチアでは過度な混雑のため。地元当局が観光客の入域を制限せざるを得なくなり、フィリピンで高い人気を誇るボラカイ島も、大量の観光客が押し寄せて「汚水溜め」になってしまったとして、昨年閉鎖された。