自然豊かな観光大国ニュージーランドで水質汚染 「100%ピュア」は看板倒れか
NZでもキャンパーの増加により一部の地域で問題が生じており、ゴミ処理もその1つだと、同国のビジネス・イノベーション・雇用省で観光政策担当マネジャーを務めるリチャード・デイビス氏は指摘する。
「環境そしてNZという国を守るために集団的な義務を負っており、国内や他国からのキャンパーを対象とした責任あるキャンプ手法に関する多くの啓発活動や、地元団体による問題対応を支援するためのインフラ投資を行っている」とデイビス氏は言う。
政府によるガバナンス放置と酪農・観光産業の増大によって、環境が犠牲になりつつある、とビクトリア大学ウェリントンのガバナンス政策研究所のマイク・ジョイ上級研究員は警鐘を鳴らす。
「これはオウンゴールだ。自業自得ということだ。この国にとって最大の付加価値は、美しく自然豊かなイメージであるにもかかわらず、そうしたイメージをまさに台無しにしつつある」とジョイ氏は言う。
政府は水質改善に注力していると主張する。2017年には、NZの主要河川や湖沼を2040年までに遊泳可能にするとの目標を設定しており、2030年までに8割達成という中間目標を掲げている。
政府の作業グループのメンバーでもあるジョイ氏は、強力な酪農、観光業界に政府が手をつけない限り、変化は起きないだろうと悲観する。「今のところ、偏った解釈や宣伝に投じられる資金がかなり増えている一方で、変革はほとんど進んでいない」
(翻訳:エァクレーレン)
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