漢人の天国、少数民族の地獄。「多様な」街 南新疆カシュガルレポート
まず積極的に発言する人なり組織は問題に対してあらかじめ、ある程度の意見や立場を持っている事が多い。そしてその中には残念ながら「世間の注意を引くためならば嘘にならない程度の『修飾』は問題ない」と考えている人が一定数混ざっている。これはどちらの陣営も、旅行者であろうとジャーナリストであろうと研究者であろうと同様だ。
またメディアにとっては現地取材が困難なこと(観光客として訪れる事とジャーナリストビザで訪れる事の難易度はまったく違う)、今まで手掛けてこなかった分現地の基礎知識やコネクションが乏しいことも、声の大きい人からの影響の受けやすさや正確性の不足に影響している。
東京からウルムチまで乗り継ぎ時間を含めても10時間程度。航空券も10万円に満たない金額で購入できる。世界で起こるすべての事をその目で見るべきとは思うわけではないが、ウイグルは現代の様々に入り組んだ問題を実際に見ることができる貴重な「辺境」だと思う。真冬は少し寒いが、よかったら次の連休に実際に訪れてみてほしい。あらゆる意味で一生の思い出に残る、印象深い旅行になることだろう。
※当記事は個人ブログからの転載です。
[筆者]
林毅
ライター・研究者
広義のジャーナリズムやプロパガンダをテーマに研究を行う。
Twitter -> @Linyi_China
Blog -> 辺境通信