中間選挙で「トランプ化」した共和党 移民攻撃に同調
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10月29日、米中間選挙を控えた共和党のテッド・クルーズ上院議員らは今月、多くの党関係者と同じ教訓を学んだ。それは、どのような形であれ「ドナルド・トランプ」の影から逃げるのは難しい、ということだ。写真はトランプ大統領。フロリダ州で31日撮影(2018年 ロイター/Carlos Barria)
11月の米中間選挙を控えた共和党のテッド・クルーズ上院議員とウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は今月、多くの党関係者と同じ教訓を学んだ。それは、どのような形であれ「ドナルド・トランプ」の影から逃げるのは難しい、ということだ。
クルーズ、ウォーカー両氏は、2016年の米大統領選でトランプ氏と党候補指名を争った人物であり、これまで大統領とはほぼ無関係に、それぞれ自らの再選を目指す選挙運動を展開してきた。
だが、11月6日の投票日に向けて、情勢が厳しくなっていると世論調査が伝える中で、両氏は先週、それぞれテキサスとウィスコンシンで行われた集会で、トランプ大統領と同じ壇上に上がった。
ウィスコンシン州の集会でランプ大統領は、ウォーカー氏が2016年の大統領選の際には「やっかいな」相手だったが、いまは「素晴らしい友人だ」と騒々しい聴衆に対して語った。
また、テキサス州の支持者の前でもトランプ大統領は同じ週に、かつてはクルーズ氏のことを「嘘つきクルーズ」と罵倒していたが、今は「素敵なテッド」と呼んでいる、と語った。
選挙シーズンが始まるとともに、多くの共和党候補者は、今回の選挙が大統領に対する信任投票とならないよう注意を払った。トランプ氏は、引き続き米国民の過半数から支持されていないからだ。
同党の候補者は、米国経済の好調ぶりや、昨年議会を通過した減税法案などを前面に押し出したが、だが、こうしたテーマは有権者の心に響かなかった。
下院の過半数を民主党に奪還される可能性と、厳しさを増す上院選挙を控えて、世論調査ではトランプ支持と不支持が割れている現状にもかかわらず、熱心なトランプ信者の票を集めるため、大統領の応援を請う共和党候補が増えている。
また同党は、移民や国家安全保障といった問題についても、トランプ大統領の過激な論調を取り入れつつある。
トランプ大統領はこれから中間選挙の投票日まで多数の集会への参加を予定しており、選挙遊説の常連になる構えだ。
民主党が上院における過半数を奪還するには、来週の選挙で2議席上積みする必要がある。下院では23議席増が必要だが、こちらの方が可能性は高い。
クルーズ上院議員は依然として民主党の挑戦者ベト・オルーク下院議員と接戦を続けている。トランプ氏による応援を受けた直後、クルーズ候補は、2016年の大統領選で、トランプ氏が対立する民主党のヒラリー・クリントン候補にぶつけた言葉を真似てみせた。
「オルーク氏はクリントン氏とともに投獄されるべきだ」と先週行われたイベントで述べたのである。後にクルーズ氏は「冗談だった」と弁解した。
ウィスコンシン州知事への再選をめざすウォーカー候補は、無党派層の有権者を狙った選挙戦を展開してきたが、トランプ大統領の応援を控えて、民主党の対立候補トニー・エバーズ氏に対して、「不法移民に有利な措置を」支持している、とテレビコマーシャルで批判。この手法に対してエバーズ氏は「捨てばちだ」と一蹴した。