中間選挙で「トランプ化」した共和党 移民攻撃に同調
移民問題で攻勢
選挙戦終盤に入り、党候補者を応援するトランプ大統領の戦略の柱は移民問題だ。トランプ大統領は、中米地域から米南部の国境に向かっている移民集団(キャラバン)が安全保障上の脅威になっている、と頻繁に警告している。
民主党の候補者は、危機感を抱いた共和党候補が、今やトランプ氏にすがっていると指摘。無党派の有権者が昨年の減税法案を富裕層への不当な優遇と捉え、医療などの問題に懸念を深めているためだ。
「共和党候補は、訴えるべき一貫性のある経済的なメッセージに欠けている」と語るのは、民主党候補を支援する運動団体「ハウス・マジョリティPAC」の広報担当を務めるジェブ・フェイン氏だ。
民主党が上院と下院の双方で過半数を回復できるチャンスが最も大きくなったように思われたのは、先月だった。
その後トランプ大統領率いる共和党側は、ブレット・カバノー氏の最高裁判事指名承認をめぐる論争を好機とみて、承認に反対する人々を「リベラルな暴徒」と決めつけ、民主党が議会で優位に立てば米国は無政府状態に陥るとほのめかした。
このメッセージはすぐさま、共和党全国委員会(NRCC)や連邦議会リーダーシップ基金などの共和党支援団体によって拡散された。両団体は、民主党は隠れた「過激派」で「社会主義者」だと非難するコマーシャルを作成した。
引退するポール・ライアン下院議長と関係の深い同基金は、ケンタッキー州やミネソタ州、バージニア州といった激戦区の民主党候補は「リベラルな暴徒」の一味だと主張する一連のラジオコマーシャルを流した。
やり玉に挙げられた民主党候補の中には、元海兵隊パイロットのエイミー・マグラス氏、陸軍将校としてイラク戦争に従軍したダン・フィーハン氏、元CIA幹部のアビゲイル・スパンバーガー氏なども含まれた。
テネシー州のマーシャ・ブラックバーン氏、インディアナ州のマイク・ブラウン氏、ミズーリ州のジョシュ・ホーリー氏といった共和党の上院議員候補は先週、やはり中米からの移民集団は脅威だと警告。ブラックバーン氏に至っては、「違法な外国人の暴徒」とまで言い放った。