米国株、連日の急落 市場で広がる「調整局面」突入懸念
ビラー・アンド・カンパニーのポートフォリオマネジャー、サンディ・ビラー氏は「金利が上昇する際、過熱している景気に冷や水を浴びせることがあり得る。それこそが現在、起きている出来事のように見える」と話した。
米国株は2009年3月に始まった強気相場が過去最長になったと幅広く考えられている。
ガレーン・キャピタル・パートナーズのマネジングパートナー、トリップ・ミラー氏は「市場は強気相場が10年続き、その間に10%の調整はほとんど視野に入ってこなかったし、その節目が近づくたびに相場は反発してきた。今回、従来と異なるのは、10年債利回りがずっと高い水準になっている点で、市場は遅ればせながら調整を迎えつつあるのだと思う」と述べた。
<業績見通し次第>
S&P総合500種指数が長期にわたる下落局面に入るかどうかは、企業が向こう数週間で発表する四半期決算で示す業績見通しに左右される。
I/B/E/S業績予想によると、S&P総合500種企業の1株当たり利益(EPS)は第3・四半期は前年同期比21%増、第4・四半期は20%増と見込まれている。
だが2019年は、今年開始された大規模な法人税減税の実施から1年が経ち、企業が今年ほどの大幅増益を再び達成できる公算は小さい。
企業経営陣の決算発表に伴う会見では、トランプ大統領の対中通商政策が各社の事業にどのような影響を及ぼすかについての具体的な見通しも出てくる。
また11日に発表される9月の消費者物価指数(CPI)で、FRBがこれまでの予想より急速に利上げを進めるとの懸念が広がるかもしれない。
アリアンツ・グローバル・インベスターズ(ニューヨーク)の米国投資ストラテジスト、モナ・マハジャン氏は「市場は、金利の上昇が最終的に住宅ローンや自動車ローン、学生ローンの金利(押し上げ)という形で実体経済に浸透する可能性を消化しつつある。現在見られるのは、市場が今後の成長が下振れする恐れに備えている姿だ」と語った。
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