政治的影響力を発揮したテイラー・スウィフトに保守派が反撃
Taylor Swift's Post Spurs 65,000 Voter Registrations
これまで政治には口を出さなかったテイラー・スウィフトだが、その影響力はすさまじい Simon Dawson-REUTERS
<中間選挙で民主党候補への支持を表明した人気歌手テイラー・スウィフトの投稿以来、有権者登録は急増。トランプをはじめ共和党陣営は、ポップスターの突然の政治参入に困惑している>
11月6日の中間選挙で投票してほしい――シンガー・ソングライターのテイラー・スウィフト(28)が熱を込めて訴えて以来、有権者登録が急増している。
スウィフトは10月7日、インスタグラムに長いメッセージを投稿。テネシー州の民主党候補2名を支持する理由を説明し、人々に投票に行くよう呼びかけた。彼女の投稿はたちまち大きなうねりを引き起こした。
民主党への投票を呼び掛けたスウィフトの投稿。これまでは政治的な発言はしないようにしていたが、人生に起こったいくつかの出来事と、過去2年の世界のありように、今は正反対に感じるようになった、と書いている
「スウィフトの投稿以来、24時間で約6万5000人が新たに有権者登録を行った」と、選挙啓発に携わる非営利団体「ボート・オルグ」で広報を担当するカマリ・ガスリーは、ニュースサイト「バズフィード」に語った。
全国的な有権者登録の増加はもちろんだが、「特にテネシー州の登録件数が急増している」という。10月に入ってから州内で登録した有権者は5183人だが、そのうち2144人がここ2日間に登録している。
ボート・オルグのサイト閲覧数も急増し、スウィフトの投稿以来の訪問者数は約15万6000人に上った。
「テイラー・スウィフトのおかげだ」と、ガスリーは言う。
これまで政治的意見を表明しなかったスウィフトが国民的議論を引き起こしたことを、ドナルド・トランプ大統領はあまり歓迎していない。スウィフトの音楽を「前より25%好きじゃなくなった」と、彼は語った。
共和党候補者の姿勢を批判
スウィフトは今回の投稿のなかで、共和党現職のマーシャ・ブラックバーン下院議員を厳しく批判し、二人の民主党候補(上院ではフィル・ブレデセン、下院ではジム・クーパー)に投票することを明らかにしている。
トランプは、ブラックバーンは「すばらしい女性」であり、「スウィフトは彼女について何も知らないに違いない」と、反論した。
保守派の評論家アン・コールターは、スウィフトが自分の意志で支持を表明したわけではないと主張。「スウィフトは『かわいいだけの白人娘』と悪質な攻撃を受けていた。だからエージェントに、民主党支持を表明するよう言われたのだ」と、ツィッターに投稿した。
保守派団体ターニング・ポイントUSAの創始者で活動家のチャーリー・カークは、政治的発言をしないことで知られていたスウィフトが政治に参入したことを嘆いた。「彼女は政治から距離を置いていて、そこが好きだった」と、フォックステレビの朝のニュース番組で、カークは語った。
スウィフトは投稿で、自分が政治に関する沈黙を破った理由として、ブラックバーンの女性問題に関するこれまでの姿勢を挙げた。
「テネシー州の上院議員候補は、マーシャ・ブラックバーンという女性だ。これまでと同様、できれば女性を当選させたいけれど無理。彼女の投票記録は実に恐ろしいから。彼女は男女平等賃金に反対し、家庭内暴力やストーカーから女性を保護する『女性に対する暴力防止法』の再認可にも反対した」と、スウィフトは書いている。