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朝鮮半島

平壌共同宣言は過去の合意の二番煎じだ

2018年9月29日(土)15時45分
ブルース・クリングナー(米ヘリテージ財団・北東アジア担当上級研究員)

だが歴史的意義を別にすれば、終戦宣言は無意味な善意のジェスチャーにすぎない。それによって朝鮮半島の安保情勢が改善するわけでも、同盟国への軍事的脅威が低下するわけでもない。

トランプ政権は、原則論を押し付けて韓国との緊張関係を危険にさらすか、幸福感いっぱいの平和という列車に乗るかの二者択一を迫られている。

平壌宣言の直後にトランプが示した肯定的な反応は、南北首脳会談が2度目の米朝首脳会談に向けて前向きな空気を醸成したことを示唆する。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との良好な個人的関係を強調するトランプは、非核化交渉の停滞を打開するチャ
ンスと捉えている可能性が高い。

だが、十分な準備なしに米朝会談を急ぐのは危険だ。北朝鮮側の相応の措置がないまま、さらに譲歩を迫られかねない。

核問題解決に向けた最良のチャンスを生むのは現実主義の外交と最大限の圧力、持続的な抑止力の組み合わせだ。北朝鮮に非核化の動きを速めさせ、韓国にはペースダウンを受け入れさせる――それがアメリカにとって最大の課題になるだろう。

(筆者はCIAの元朝鮮半島担当副部長)

<本誌2018年10月02日号掲載>

From thediplomat.com

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