汚職容認に借金漬け? アフリカ諸国への融資批判に中国が反論

9月5日、北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合の期間中に中国の元当局者や国営メディアは、中国によるアフリカ支援の正当性を声高に主張し、汚職の温床などとする批判に相次いで反論した。写真中央は、中国の習近平国家主席。同フォーラムで4日代表撮影(2018年 ロイター)
北京で開かれた「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会合の期間中に中国の元当局者や国営メディアは、中国によるアフリカ支援の正当性を声高に主張し、汚職の温床などとする批判に相次いで反論した。
中国は以前からアフリカの原材料に関心があるだけで、無条件の融資や支援は汚職を招き、アフリカ諸国に持続不可能な債務を負わせるといった批判を、主に西側諸国から受けている。
今回の首脳会合でもアフリカの記者が、中国の当局者に汚職や環境問題、中国の支援を受けた一部プロジェクトでの現地雇用の不足などについて質問を浴びせかけた。
こうした動きに対して中国の外務省の元アフリカ局長でマリとモロッコの大使を務めたチェン・タオ氏は、汚職が指摘されている国を支援したとして中国を批判するのは不当だと反論した。
「アフリカの友人から、自分の国の政府は汚職にまみれており、中国はなぜ支援するのかと言われた。自分の国の政府は中国に橋や病院の建設を求めているが、中国政府は応じるべきではないというのが、彼の意見だった」という。「この友人には『選挙でその政府を選んだのはあなた方だ』と話した。中国政府が交渉できるのはこの政府だけだが、橋や病院を造るのは大統領や高官のためではなく、一般国民のためだ。この問題を考えるときにはこうした視点も持つことができる」と述べた。
トランスペアレンシー・インターナショナルが発表した昨年の汚職指数で最低の評価を受けた10カ国のうち、赤道ギアナ、ソマリア、スーダン、南スーダンのアフリカ4カ国が今回の首脳会合に参加した。
中国の習近平氏は6年前に国家主席に就いて以来、国内で汚職の取り締まりを強化しており、政府は中国と関係のある諸外国についても汚職の取り締まりを進めるよう求めている。
アフリカ事務特別代表を務めた劉貴今氏は、中国は汚職による資金の無駄遣いを望んでいないと述べた。「中国の対アフリカ支援はその国の国民を主な対象としており、腐敗した政府や当局者に資金は流れていない」という。
5日に発表された首脳宣言は、中国とアフリカ諸国は今後も汚職を絶対に容認しないと表明した。