最新記事

ヘルス

信じるか信じないか、血液型ダイエット

What is the Blood Type Diet?

2018年8月18日(土)13時40分
デーナ・ダビー

血液型によって消化管の特性には違いがあるというが nzphotonz/iStock.

<体質の違いを重視するのが最近の流行だが、血液型の違いと消化管の特性を結び付けるダイエットには専門家から「根拠が薄弱」という批判も>

この飽食の世界では、次から次へと新しいダイエット法が生まれては流行する。「血液型ダイエット」も、そうした星の数ほどあるダイエット法の1つ。人の体はそれぞれ異なるから、その違いに合わせたダイエット法を選ぶべきとの考えに基づき、食べるべきものや控えるべきものを血液型別に提案している。

専門家からは、根拠が薄弱だとの意見も聞かれる。それでも個々の体質に合わせた食事プランで健康増進を図るべきだという栄養学の最近のトレンドを反映しているのは間違いない。

ABO式血液型は赤血球表面の抗原の型に基づく分類法で、100年以上前に発見されている。血液型ダイエットの生みの親、ピーター・ダダモは本誌に対し、このダイエット法を最初に思い付いたのは医学大学院で血液型について学んだ時だったと語った。

「ABO式血液型に関する長い医学論文を見つけた時には非常に驚いた。食生活と関連があるとされるものを含む多くの慢性疾患で、(血液型によって罹患しやすさに)大きな違いが見られることを示した論文だった」。現在では高コレステロール血症や循環器疾患、心臓発作のリスクと血液型との関連を示す研究も増えている。

血液型ダイエットでは、赤血球表面の抗原の違いがその人の消化管の特性に結び付いていると考える。つまり、同じものを食べても血液型によって体の反応は異なるというわけだ。

magh180818-chart01.jpg

血液型ダイエットのお勧め食材

具体的には、血液型ダイエットではA型の人には地中海式の食事を勧めている。ダダモによればA型の人は循環器疾患にかかりやすいが、植物性タンパク質を多く摂取することで予防効果が期待できるのだそうだ。

B型の人は鶏肉の摂取を控えるべきだという。鶏肉に含まれるレクチンというタンパク質が赤血球表面のB抗原を攻撃し、体に害を及ぼしかねないからだ。また、B型の人がトウモロコシや小麦、レンズ豆、トマト、ゴマといった食品を食べると代謝が悪くなって体重増につながりやすい。その他、目まいや体液貯留、低血糖症といった症状も招きかねないという。

血液型との因果関係は?

O型の人はタンパク質を中心にした食事がお勧めだという。穀物や乳製品の摂取は控えることが推奨されている。穀物に含まれるレクチンによる問題を被りやすいためだそうだ。

最後にAB型は、一般的な食品に対する耐性が他の血液型に比べて高いため、食べてはならない食品はあまりないという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中