英政府発行のブレグジット白書の各国語翻訳がひどい! 他言語への敬意が足りない?
ブレグジット白書のドイツ語訳もあまりにひどいと問題に REUTERS-Leon Neal
<英政府がEU離脱方針をまとめた要項の各国語版の翻訳が、あまりにひどいと評判だ>
7月半ば、英政府は欧州連合(EU)離脱方針をまとめた要項、「ブレグジット白書」を発表した。同白書は欧州22の言語に翻訳されたのだが、その翻訳があまりにひどいと話題だ。翻訳ソフトを使ったのではないかと、ネットでもさっそく叩かれている。
英語で読んだほうがマシ
各翻訳バージョンは、奇妙な言葉、文語、創作語などを含み、各語ネイティブスピーカーのあいだに混乱と批判、嘲笑を引き起こしている。ある翻訳家は「政府のブレグジット白書の翻訳は本当にひどい。調子外れで、言葉遣いが間違っている。メニューページでは、各語の名前のスペルさえ間違っている(ドイツ語、フィン語、エストニア語)」と、iNewsに語っている。
なかでもとくにひどいと言われているのがドイツ語だ。ドイツ語のリンクはDeutscheのタグで表示されていたが、正しくはDeutschでなければならない。後に他の言葉が続く場合は、たとえばDeutsche Bahn 「ドイツ鉄道」のように-e がつくことがあるが、単独では使わない。EU圏内で最大の人口と経済力を誇るドイツ語でのこのミスは問題だ。ドイツ語のネイティブスピーカーたちの目には「古代ドイツ語」のような摩訶不思議な言語に映るようだ(インディペンデント)。
アイルランド語やクロアチア語にも間違いが多いようだ。また、100ページすべてが翻訳されたのはウェールズ語のみだが、これはEUの公用語ではない。またむしろ、アイルランド語、ウェールズ語の話者、あるいはマルタなど英語が公用語の1つである国の人々にとっては、おかしな翻訳を読むより英語を読む方がずっと早いだろう。
ドイツ人やオランダ人の多くも英語が達者だ。あるオランダ人はツイッターに「親愛なるイギリス政府へ。努力は感謝いたします。おそらくお気づきではないでしょうが、あなたたちを理解してほしいなら、どうぞ英語を使い続けてください。これはひどすぎます。心を込めて、オランダより」と投稿している。