崩れ落ちる中国経済 住宅ローン地獄で家計債務がリーマン危機前水準に
憂慮すべき数値
厦門市における小売売上高は今年1─5月に前年同期比で9.2%増加したが、全国平均の9.5%を下回っており、前年同期に記録した12.1%から大幅な減速となった。
市統計局のデータによれば、市内の大手百貨店・スーパーの半数以上で第1・四半期の売上高が減少。また4月データでは、化粧品や宝飾品を含む裁量品目の支出が前年同月から低下している。
中国全体でも、1人当たり可処分所得の伸びは上半期に6.6%と、前年同期の7%から減速していることが、16日発表の統計で明らかになった。
一方、他の都市でも債務は積み上がっている。深センでは家計債務が同市GDPの79%、杭州でも同77%に達している。
中銀データに基づくロイターの分析によれば、最も債務が多いのは、中国経済を牽引してきた主要沿岸都市の住民であり、貯蓄に対する家計債務残高の比率が最も高いのは、4月末時点で110%を記録した福建省、次いで浙江省、広東省と続く。
上海財経大学の報告書では、可処分所得に対する中国の家計債務比率は、2017年末時点で78%だったと試算。現在のトレンドが続けば、2020年にはこの比率が100%を超え、グローバル金融危機前の米国が記録した水準に匹敵する、と同報告書は予想している。
また、中国で最も豊かな省に含まれる福建、広東、浙江の3省では、すでにこの比率が危機前の米国水準を上回っているという。
「お金を使う気になれない」と語る厦門市職員のYangさん。「住宅ローンが、わが家の2世代にわたる生活の質に影響を与えている」
(翻訳:エァクレーレン)
[厦門(中国)/北京 25日 ロイター]
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