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W杯、首にかけたファンIDカード情報の行方が問題

2018年7月11日(水)19時00分
松丸さとみ

効果を上げるファンID、今後も活用へ

とは言っても、ファンIDは一定の効果をあげている。6月22日には、国際指名手配されていた郵便局強盗犯の身柄が確保された。ロシア当局はファンIDを国際刑事警察機構(インターポール)の指名手配リストに照会し、ブラジルで2年にわたり指名手配されていた男を6月22日のブラジル対コスタリカ戦の後にスタジアム外で拘束したのだ。

また、同性愛者に侮辱的なチャントをしたとしてFIFAから1万ドル(約110万円)の罰金を科されているメキシコ・サッカー連盟は自国のサポーターに対し、「ファンIDを剥奪されないよう注意してほしい」と警告を出したところ、このようなチャントが収まったとニューヨーク・タイムズは伝えている。

メキシコのサポーターによるこうした侮辱的なチャントはこれまでも問題になっており、FIFAから繰り返し警告を受けても一向になくならなかったにもかかわらず、である。

W杯では今回初登場したファンIDだが、ソチ五輪でも「観客パス」として導入されていた。次回の2022年W杯開催国であるカタールもファンIDの研究をしている。また、2026年のW杯は米国、カナダ、メキシコの北米3カ国の共同開催となった。出入国などで観客の便宜を図りつつ管理するシステムは必須になってくるため、2026年大会の主催者も類似のIDプログラム導入を考えていることを明らかにしている。

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