最新記事

中国経済

「一帯一路」で押し寄せる中国貨物 欧州鉄道網がパンクの危機に

2018年7月3日(火)16時30分

渋滞

渋滞は中欧班列のほぼ全体で起きているが、輸送業者の不満は、貨物の約9割を扱うマワシェビチェに集中している。

中国からカザフスタン、ロシア、ベラルーシを通って運ばれてきたコンテナは、ここでロシア軌間の貨車から、欧州標準軌間の貨車へと積み替えられる。

ここの物流拠点では、2017年は7万4000個近くのコンテナが処理された。2015年の4倍で、ポーランドの税務当局によると、昨年は4億ズウォティ(約118億円)の関税収入があった。

だが、中心的な物流ターミナルを運営する、ポーランド政府管轄下の鉄道輸送会社PKPカーゴは3月、今後も増加が予想される貨物量をさばくのは現行インフラでは無理だと表明。民間ターミナルを運営するユーロポートは、2017年末の時点で、ベラルーシからポーランドへの入国待ちの列車が最大で100本も連なっていたと明らかにした。

「これは大きな挑戦だが、同時に大きなチャンスでもある」と、PKPカーゴのWarsewicz最高経営責任者(CEO)は3月の時点で話していた。

PKPカーゴは、ロイターの取材に対し、現段階では入国待ちの行列はないとした上で、処理能力を拡大し、民間ターミナル運営業者と協力して積み替え時間の短縮に努めているとメールで回答した。

一方、ポーランド政府のインフラ担当部署は、ベラルーシとの間に2カ所目の検問所開設を検討しているとした。

しかし、運送業者は、整備のスピードが間に合わないのではないかと懸念している。

そしてそれは、マワシェビチェがあるテレスポルの町のイワニエク町長をはじめとした地元の人を心配させている。町や周辺地域は、鉄道輸送の増加の恩恵を受けている。

最近マワシェビチェを訪問したロイター記者は、鉄道ターミナルに積まれた中欧班列のロゴがついた紺色のコンテナや、新しい道路や地元政府の施設を見た。

イワニエク町長は、PKPカーゴの施設整備の規模が輸送量の増加に対応できず、他の輸送拠点に物流を奪われることを懸念している。

「われわれは、この歴史的なチャンスをものにするよう警告を発している。歴史の中の今の5分を使わなければ、すべて終わりだ」と、町長は言った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ関税で実効税率17%に、製造業「広範に混乱

ワールド

「影の船団」に偽造保険証書発行、ノルウェー金融当局

ワールド

焦点:対日「相互関税」24%、EU超えに政府困惑 

ワールド

OPECプラス8カ国、カザフの超過生産巡り協議へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 9
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中