最新記事
日本社会

【写真特集】自傷する彼女たちが求める居場所

2018年6月8日(金)18時00分
Photographs by KOSUKE OKAHARA

ppself06.jpg

<ミリ>目の焦点が合わなくなり、「ああ切りたい、切りたい」と言い出し、「ずっと我慢してたんです。ずっと切りたくて仕方なかったんです」と、カッターで太ももを切り始めた。


ppself07.jpg

<ミリ>自分の気持ちを吐き出すために作ったウェブサイト。幼い頃、酒乱の父から暴力を振るわれて育つ。大学院で勉強についていけなくなったころ、パニック障害に陥って自傷が始まった。現在は実家暮らしで、コールセンターで働く傍ら、地元のラジオ局で番組を持っている。


ppself08.jpg

<ミリ>5分ほどでカッターを置き、ティッシュで血を拭いた。


ppself09.jpg

<木部ちゃん>病院の待合室で。精神科と、切り傷を治療する外科の診察を受けていた。


ppself10.jpg

<木部ちゃん>自宅近くの木で、首つり自殺を図ったこともある。父の事業の失敗で、幼い頃から借金取りに追われる生活を送った。鬱と境界性パーソナリティ障害のため、抗鬱剤や抗不安剤など多くの薬を服用。取り立ての増加に伴って症状が悪化し、自傷だけでなく薬の多量摂取も繰り返すようになる。2014年から自傷はしておらず、実家を離れて結婚、出産。小学生の長女から腕の傷痕について聞かれ、「病気だったからよ」と話したという。


Photographs by Kosuke Okahara

撮影:岡原功祐
1980年東京都出身。「人の居場所」を主なテーマにした作品を国内外の主要メディア、美術館、ギャラリーなどで発表している。本作は新著『Ibasyo 自傷する少女たち"存在の証明"』(工作舎刊)からの抜粋。現在、東京・京橋「72Gallery」で岡原功祐展「Ibasyo 自傷する少女たち"存在の証明"」開催中〜7月1日まで。

≪リンク≫
▼新著『Ibasyo 自傷する少女たち"存在の証明"』(工作舎刊)
岡原功祐

<本誌2018年4月24日号掲載>

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必…
  • 9
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中