iPhoneの個人情報を数秒でスキャン 中国企業、当局向け監視機器開発にしのぎ
監視ラボ
中国当局は、海鑫科金のような企業が開発した機器を利用して集めたスマホやカメラ上の情報を14億人近い人口のオンラインデータベースに集約し、全国規模の監視ネットワーク構築を目指している。。
「われわれの犯罪科学製品は、中国の26省で販売され、警察による1100万件の情報処理に貢献している」と、同社のHan Xuesong氏は、展示会でロイター記者に語った。
海鑫科金だけではない。美業柏科にも「DC-8811 Magic Cube」という競合製品がある。同社の販促資料では、これを「犯罪科学のスイス・アーミーナイフ」と表現。さらに大型の「FL-2000」については、「犯罪科学の空母」と呼んでいる。
セキュリティーソフト会社の奇虎360が支援する犇衆信息も展示会にスキャナーを出品し、海外のプラットフォームから情報を収集する機能について宣伝していた。
セールス担当者は、同社が昨年、「政府転覆を企む」容疑者の電話に侵入し、同容疑者のフェースブックやツイッターのアカウントから情報を得たと話した。この担当者は、名前の公表に同意しなかった。
フェースブックは、コメントの求めに応じなかった。
ツイッターの広報担当者は、見たことがない技術にはコメントできないとしつつも「プライバシーはツイッターの根幹部分であり、世界各地でその啓発に積極的につとめている」と話した。
青い目のロボット
他の出品者は、人々の顔をスキャンして逃亡者や容疑者のデータベースと照合できる警察用眼鏡、駅や空港用の青い目をした警察ロボット「AI-2000-Xiao An」なども展示していた。
映画スターウォーズに出てくるロボット「R2─D2」のような形をした同ロボットには、赤い光を点滅させる「耳」のほか、センサーやカメラ12個以上が搭載されている。人ごみの中で誰かを見分けたり、会話を交わしたり、警察による案内を放送したりできるという。
国営メディアによると、このロボットは、昨年廈門市で開かれた国際会議においてセキュリティのため使用されたという。