アトランタの基幹システム、サイバー攻撃で「人質」に 紙と電話が頼みの綱
昔ながらのアナログ手法
アトランタ警察では手書きの事件記録が復活しており、捜査用データベースの一部にはアクセスができなくなったと、カルロス・カンポス報道官は語る。影響を受けたファイルの内容は明らかにしなかった。
「データ管理チームが、これらシステムの通常運用と機能の回復に向けて勤勉に取り組んでおり、近い将来、ネットワークに再接続されるものと期待している」と同報道官は語る。週末までには警官によるデジタル形式での報告書作成が再開されつつあると語った。
一方、市職員の一部からは、状況が明らかにされず、コンピューターを起動しても大丈夫かどうか確信が持てない、と不満の声が聞こえてくる。
「何も知らされていない」と昼食休憩を取りに外出した職員は30日、苛立ちを口にした。
脆弱性
1930年に建設されたネオゴシック様式の構造にモダンで巨大なウィング(翼部)を増築したアトランタ市庁舎と同様に、市のコンピューターシステムにも新旧が混在している。
「地方自治体が脆弱なのは、あまりにも多くのシステムが混在しているからだ」とノーブル氏は語る。
アトランタ市は1月、サイバーセキュリティを巡る監査結果を公表。勧告された施策の実施に着手したところだった。この監査では、記録保管の改善と、テクノロジー担当職員の増員を求めていた。
シュック市会議員は、データ復旧のために市が負担するコストを懸念しつつも、今後の攻撃に備えるためのサイバーセキュリティ強化に向けた予算措置を支持すると述べた。
今のところ同議員のスタッフは、旧式ノートパソコン1台をその場しのぎで使い回しているという。
「ひどく手間取っている」と同議員は語る。「こんなふうにシステムが使えなくなるなんて、とても現実とは思えない体験だ」