トランプ政権また離脱者、国家経済会議委員長が辞任 関税導入で大統領と対立
3月6日、米ホワイトハウスは、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任すると発表した。昨年9月撮影(2018年 ロイター/Yuri Gripas)
米ホワイトハウスは6日、国家経済会議(NEC)のコーン委員長が辞任すると発表した。同委員長は2017年の税制改革案の策定において主要な役割を果たし、トランプ政権内での保護貿易主義の台頭に対する防波堤ともなっていた。
市場が不安定な中、既に辞任者の出ている同政権の諮問機関にとっては新たな打撃となる恐れがある。
トランプ大統領は6日夜にツイッターで、後任を早期に指名する意向を表明。政権幹部によると、国家通商会議(NTC)のピーター・ナバロ委員長、保守派コメンテーターのラリー・カドロー氏が「2人の最有力候補」とみられているという。
ホワイトハウスの政府高官らによると、関税を巡る議論がコーン氏に辞任を決意させるきっかけとなったものの、それだけが理由ではないという。ある高官は、辞任につながる複数の問題があったと指摘した上で「コーン氏の最大の使命は減税法案であり、税制改革は成立した」と述べた。
政権では高官の辞任が相次いでいるが、トランプ大統領は懸念を一蹴。訪米中のスウェーデン首相との共同会見で「非常に多くの人が、政府内のさまざまな職務に就きたいと考えている。私は全ての職務で、10人の候補が出せる」と豪語した。
ホワイトハウス関係筋によると、コーン氏が大統領に辞任を申し出たのは6日だが、2人は既に数週間前から話し合っていたという。
コーン氏はこの会見で大統領の隣に席が設けられていたが、姿を見せなかった。
ホワイトハウスによると、辞任の時期は最終決定していないものの、数週間先になるという。
ホワイトハウスは「国家のために奉仕し、歴史的な税制改革など成長を促進して国民の利益に資する経済政策を実現できたことは光栄だった。この機会を与えてくれた大統領に感謝し、大統領と政権が将来大きな成功を収めるよう祈っている」とのコーン氏の声明を公表した。
コーン氏のNEC委員長としての在任期間は1年強だった。