「ここからは私たちの番だ」全米に銃規制を呼びかけた企業トップ
ディックスの店舗に並ぶ銃 Eduardo Munoz-REUTERS
<ウォルマートもデルタも... 大企業が続々と銃規制の強化に賛同するアクションを取り始めた。しかし、既得権益を守ろうとする圧力は強い>
銃社会アメリカの変化の兆しなのか――
2月14日にフロリダ州の高校で起きた元生徒による銃乱射事件(17人が死亡)を発端に、全米で銃規制を求める声は高まり、企業が続々とアクションを取り始めた。そして2月28日、小売最大手ウォルマートが21歳未満の客に銃を販売しない方針を固めた。
これに続けとばかりに、スポーツ用品販売大手ディックス・スポーティング・グッズも同様の措置を発表。さらに、運営する全店舗の約800店舗でアサルトライフル(自動小銃)の販売を中止すると発表した。
銃販売の一角を担う大手2社の発表を、ニューヨーク・タイムズは「全米を巻き込んだ銃規制をめぐる論争のど真ん中に、ウォルマートとディックスが乗りこんできた」と報じ、「アメリカ企業が銃に対して行った、最も重要な動きだ」と踏み切った2社を称賛。このほか多くのメディアが好意的に伝えている。
(銃撃から生還した生徒たちはSNSから銃規制の強化を求めるムーブメントを起こしている)Parkland students have turned attention from the school shooting into a gun-control movement. Here's how they did it. https://t.co/7ELC6ajaO4
— The Wall Street Journal (@WSJ) 2018年2月28日
ディックス株価を動かす発言。そして反発するNRA
ウォルマートの広報によると、同社の決定は最高経営責任者(CEO)が決定し、取締役会に通知したという。約4000店舗で銃器を販売しているウォルマートの顧客規模はかなり大きく、影響は広範囲に及ぶものとみられる。
ディックスは最高経営責任者(CEO)のエドワード・スタックが自ら発表に臨んだ。フロリダの高校での銃乱射事件が動機になったと話し、銃規制の改革のためにアクションを取ることを明らかにした。
スタックは「パークランドの銃乱射を見たとき、とても混乱し動揺した」と話す。「私たちは子供たちと彼らが上げた声(銃規制の強化の要求)が愛しい。もうたくさんだ。ここからは私たちの番だ」
(銃乱射事件から2週間が経ち、生徒たちは3月1日に再び登校する。学校ではセラピードッグも待機している)Here are the therapy dogs who were at the gates of parkland to welcome back students today.
— Boogie2988 (@Boogie2988) 2018年3月1日
There is evil in the world, but also so much good. pic.twitter.com/o5S2c14rjY