米国、北朝鮮に近く追加制裁 ペンス副大統領「かつてなく厳しい」
2月7日、来日中のペンス米副大統領(写真)は安倍晋三首相とそろって会見し、北朝鮮を「世界で最も独裁的な、残酷な国」と表現した上で、さらなる制裁を打ち出す方針を明らかにした(2018年 ロイター/Toru Hanai)
来日中のペンス米副大統領は7日午後、安倍晋三首相との会談後にそろって会見し、北朝鮮に対する「かつてなく厳しい」独自の追加制裁を近く発表する方針を明らかにした。両者は北朝鮮が平昌冬季五輪を機に融和姿勢を見せていることをけん制し、朝鮮半島の非核化を目指して最大限の圧力をかけ続けることで一致した。
「五輪を政治宣伝に利用させず」
ペンス氏は9日から韓国で始まる平昌冬季五輪の開会式に出席する前に、日本に立ち寄った。北朝鮮が五輪参加を機に揺さぶりを掛ける中、ペンス副大統領と安倍首相は会談で、圧力のさらなる強化と、韓国を合わせた3カ国で緊密に連携する方針を確認した。公海上で北朝鮮船との間で積荷をやり取りする「瀬取り」を含め、北の制裁回避を阻止する方策についても協議した。
ペンス副大統領は「北朝鮮が五輪をプロパガンダ(政治宣伝)に利用することはさせない」と発言。「(五輪では)選手を応援するとともに、同盟国と肩を並べ、北朝鮮が世界の最も独裁的な、残酷な国であることを伝えたい」と語った。
さらにペンス氏は、北朝鮮がこれまでも五輪参加後に再び挑発行為に及んだり、核開発計画を廃棄する約束をたびたびほごにしてきた過去に言及。「過去の過ちは繰り返さない。北朝鮮に優しくすると、さらなる挑発につながるだけ。すべての選択肢をテーブルに置く」と強調した上で、「かつてない、厳しい制裁を発表する」ことを明らかにした。
会談に同席した西村康稔官房副長官によると、ペンス副大統領は、米政府が独自の追加制裁を近く発表すると説明したという。
一方、安倍首相は会見で、韓国と北朝鮮による南北対話の進展に言及。評価はするとしつつ、「北朝鮮が核・ミサイル開発を執拗に追求している事実は直視すべきだ」と述べた。その上で、「関係国に対し、北朝鮮のほほ笑み外交に目を奪われてはならないことで(ペンス副大統領と)一致した」と語った。
安倍首相も五輪の開会式に出席する予定。その際に韓国の文在寅大統領と会談し、北朝鮮問題を巡る日米韓の強固な協力関係を確認したい考えだ。