ロシア、米系企業接収で軍への食料供給計画

4月17日、ロイターが入手した文書によると、ロシア政府は接収した米国資本の缶詰メーカー「グラブプロダクト」を通じてロシア軍に食料を供給する計画を進めている。写真は整列する徴集兵。ロストフ州バタイスクで10日撮影(2025年 ロイター/Sergey Pivovarov)
Anna Hirtenstein Alexander Marrow
[ロンドン 17日 ロイター] - ロイターが入手した文書によると、ロシア政府は接収した米国資本の缶詰メーカー「グラブプロダクト」を通じてロシア軍に食料を供給する計画を進めている。
ルビオ米国務長官は、同社の扱いが米ロ関係のリセットで議題の1つになるとしており、両国関係が悪化する恐れもある。
グラブプロダクトは昨年10月に接収され、米国資本の企業で唯一ロシア政府の管理下に置かれている。
同社の新経営陣は、ロシア検事総長に宛てた書簡で、国家親衛隊や国防省への将来的な供給を含め、安定した生産を実現するため、接収が必要だったと主張。
ロシアの検察当局は、元オーナーでロサンゼルスに住むレオニード・スミルノフ氏と同氏が経営する複数の企業が2022年─24年に13億8000万ルーブル(1700万ドル)をロシア国外に持ち出したと主張しており、4月18日に公判が予定されている。
スミルノフ氏は不正行為を否定、「ロシア式の企業乗っ取り」だと批判している。
ロシアでは、デンマークのビール大手カールスバーグなど、複数の欧州企業が大統領令でロシア子会社を接収されている。