最新記事

米世論

「トランプはアメリカの恥」が過半数──米世論調査

2018年1月26日(金)17時45分
ライアン・シット

世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席中のトランプ Carlos Barria-REUTERS

<アメリカ人の2人に1人がトランプ大統領を恥ずかしいと思っており、誇りに思う人の倍だった。人間性も不正直、指導力欠如と散々だが例外は......>

アメリカの大統領は良き手本であるべきだ、と米有権者はほぼ全員が信じているが、ドナルド・トランプ米大統領が良き手本とは大多数が思っておらず、むしろ彼が大統領で恥ずかしいと思っていることが、最近の世論調査で明らかになった。

米コネティカット州のキニピアック大学が1月25日に発表した世論調査によると、90%の有権者が大統領は「子どもに良い影響を与えるべきだ」と回答したが、トランプが良い影響を与えていると答えた人はわずか29%、そうでないと答えた人は67%に上った。性別、学歴、年齢、人種、という全てのカテゴリーに共通して、有権者の大半がトランプを「悪い手本」とみなしていた。今回の調査で唯一例外が目立ったのは、共和党支持者だ。共和党支持者の72%が、トランプは子どもに良い影響を及ぼす、と回答したのだ。

トランプを「恥ずかしいと思う」人は、「誇りに思う」と答えた人のほぼ2倍に上った。

「アメリカの有権者のうち、トランプが大統領で誇りに思う人はわずか27%、逆に恥ずかしいと思う人はほぼ2倍の53%に上っている」と、キニピアック大学世論調査機関のアシスタント・ディレクター、ティム・マロイはコメントした。

「トランプにとって、この結果は3つの不安要素をはらんでいる。支持率の低迷、トランプ自身の人格に対する低い評価、そして親たちが子どもの手本になる大統領を求めているという現実だ。今のホワイトハウスの主は、親たちが理想とする人物ではない」

共和党支持者には圧倒的

だが、今回の調査はトランプにとって悪い結果ばかりだったわけではない。トランプの支持基盤は今も盤石だ。共和党支持者の間では、彼の実績を「評価する」人が86%に上り、「評価しない」はわずか9%だった。

トランプの人間性に関する質問では、7項目中5項目で彼に否定的な回答が過半数を占めた。60%がトランプは「正直でない」と答え、59%が「リーダーシップがない」と答えた。

トランプに肯定的な人のほうが多かった2項目では、54%が「知的」と答え、60%が「強い」と答えた。

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米政権の貿易戦争、世界の企業が警戒 値上

ビジネス

5月から総合CPI利用した実質賃金を公表、国際比較

ビジネス

原油先物は小幅上昇、週間では下落へ

ビジネス

アルファベット第1四半期は予想超え、AI投資が広告
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 5
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 8
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 9
    欧州をなじった口でインドを絶賛...バンスの頭には中…
  • 10
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中