最新記事

患者サポート

がん患者を笑顔に!?賛否両論の「魔法の鏡」とは

2017年10月31日(火)16時40分
松岡由希子

You can only use this mirror if you smile- YouTube

近ごろ、アメリカのニュース専門チャンネル『CNN』で採り上げられたことをきっかけに、欧米のメディアやツイッターなどのソーシャルメディアネットワーク上で、ある"魔法の鏡"が議論を呼んでいる。

ヒトの笑顔を認識したときだけ姿を映しだす

その"魔法の鏡"とは、ヒトの笑顔を認識したときだけ鏡のように姿を映しだすタブレット型デバイス「スマイル・ミラー」のこと。不透明な画面の内側にはカメラが組み込まれ、デバイスの前にいる人の顔をカメラが撮影し、顔認識ソフトウェアによって顔の表情を自動認識する仕組みだ。


工業デザイナーのバーク・イルハン氏が、がん患者のQOL(生活の質)の改善をテーマとする米スクール・オブ・ビジュアルアーツ(SVA)の修士研究プロジェクト「アップリフト」を通じ、およそ2年の歳月をかけて開発した。

「スマイル・ミラー」を開発するきっかけとなったのは、「がんの診断を受けた直後の数日間、鏡に映る自分を見て、身体の中にがん細胞があることを認めることが不気味だった」という元患者の体験談だった。

医療でのユーモアや楽しみの大切さを説く先駆的な臨床道化師のパッチ・アダムス医師に感銘を受けていたイルハン氏は、表情筋を上げて笑顔になれば、"何かいいことが起こった"と脳が認識し、楽しい気分になるのではないかと考え、映しだされる自分の姿と自身が連動する"インタラクティブな鏡"の着想につながったそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領と中国外相が会談、王氏「中ロ関係は拡

ワールド

米下院2補選、共和が勝利へ フロリダ州

ワールド

ロシア製造業PMI、3月は48.2 約3年ぶり大幅

ワールド

ロシア政府系ファンド責任者、今週訪米へ 米特使と会
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中