最新記事

朝鮮半島

トランプ、金正恩の斬首部隊を韓国へ 北朝鮮に加え中国にも圧力か?

2017年10月18日(水)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

朝鮮半島沖に派遣された米太平洋艦隊の原子力空母ロナルド・レーガンが韓国海軍の艦艇と合同演習を行っている。(写真は2016年の演習より)Nathan Burke - U.S. Navy

<中国の共産党大会の開催に合わせ、北朝鮮がミサイル実験などの軍事的挑発行動に出る可能性が高まっている。トランプ大統領は、原子力空母など強力な軍事力を朝鮮半島沖に派遣、軍事的緊張が高まっている──>

国際社会の声をあざ笑うように9月15日、日本上空を通過する弾道ミサイルの発射実験を行い、さらなるミサイル発射も辞さないと挑発している北朝鮮。一部で予想された10月10日の朝鮮労働党創立記念日には軍事的挑発は行わなかったが、同盟関係が疎遠になりつつある中国の共産党大会が18日から始まり、これに合わせて新たなミサイル発射などを行う懸念が指摘されている。

これに対応するように、米トランプ政権は太平洋艦隊の空母をはじめ、潜水艦、戦略爆撃機、戦闘機などを朝鮮半島周辺に展開。北朝鮮の新たな挑発があった際に即応できる体制を取っている。

だが、米軍のこうした動きは単に北朝鮮に向けたものだけではないようだ。

韓国メディア文化日報によると、トランプ政権が原子力空母などを朝鮮半島付近に派遣することについて専門家は、対北朝鮮攻撃の準備、中朝関係の断絶を狙った中国への圧力、そして北東アジアの覇権をめぐり東シナ海や南シナ海で存在感を高めている中国への圧迫などを狙った多目的作戦という分析をしている。

金正恩の斬首作戦の実行部隊も派遣

事実、トランプ政権が10月に入ってから朝鮮半島に展開している軍事力は圧倒的なものだ。

韓国メディアのイーデイリーによると、北朝鮮のミサイル発射の恐れがあると思われた朝鮮労働党創立記念日の10日夜、グアムのアンダーソン空軍基地から空軍のB1-B爆撃機2機からなる編隊を飛来させ、まず日本の上空で航空自衛隊の戦闘機と合流。その後、航空自衛隊と別れて韓国の上空で韓国空軍の戦闘機と合流し、ミサイル射撃訓練を2度行った。日米韓が日本海上で共同夜間訓練を行った事実を公表したのはこれが初めてだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日米豪印が外相会合、トランプ政権発足直後に中国けん

ビジネス

EU一律の新興企業ルール導入を、米への流出阻止=欧

ビジネス

イスラエル、債務残高の対GDP比率が69%に上昇 

ワールド

議事堂襲撃事件、大統領恩赦で大量釈放、世論調査60
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    大統領令とは何か? 覆されることはあるのか、何で…
  • 7
    世界第3位の経済大国...「前年比0.2%減」マイナス経…
  • 8
    トランプ新政権はどうなる? 元側近スティーブ・バノ…
  • 9
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 10
    「敵対国」で高まるトランプ人気...まさかの国で「世…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中