セクハラプロデューサーは治療でヨーロッパに? 業界越えた大スキャンダル
キャリアの中で何度もワインスタインとタッグを組んできたマット・デイモン。脚本と主演した1997年公開の映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で製作を手掛けたのはワインスタインのミラマックス社だった。
デイモンは、「有名になる前から私はこの種の行動を看過してきたが、今は4人の娘の父親。これは性搾取のようなものだ」と10日、ハリウッド情報サイト「デッドライン」に語った。しかし、ワインスタインの行為に関しては「こういった行為が世界中で起こっていることは分かっている。ただ、ワインスタインと一緒に映画を5〜6本作ったが、こういう状況は見たことがない」とシラを切っている。
ウォルト・ディズニー・カンパニーはかつてミラマックス社と提携を組んでいた。芸能情報サイト「ザ・ハリウッド・レポーター」によると、ディズニーのボブ・アイガ―会長兼CEOは10月10日「報告されたワインスタインの行動は忌わしく、受け入れ難い」と声明を発表した。
ワインスタインと長年仕事を共にしている、マーティン・スコセッシ監督、クエンティン・タランティーノ監督、俳優のラッセル・クロウやブラッドリー・クーパーなどは、2004年にニューヨークタイムズの記者シャロン・ワックスマンがワインスタインのセクハラを報道しようとした際に圧力をかけて抑え込んだとされている。
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選挙資金集めに加担したという報道も
今回明らかになったハリウッドのセクハラ問題。ワインスタインの悪行だけでも30年もベールに覆われていたが、ここに来て仲間ぐるみの隠ぺいとも取れるエピソードまで暴かれた。これまで問題が公にならなかった背景には、ワインスタインが民主党の強力な後援者だったということも指摘されている。
バラク・オバマ前米大統領の娘はワインスタインのもとで、今年の冬にインターンをしていた。ヒラリー・ クリントンも交流があることで知られている。2人は最初の報道から5日経った10月10日にようやく、ワインスタインを非難するコメントを発表したものの、遅すぎる対応が批判されている。
芸能サイトTMZによれば、近々ワインスタインは治療のためにヨーロッパへ向かうという。疑惑の張本人が逃げたからと言って収まる問題ではないだろう。長年指摘されながらもタブー視されてきたハリウッドのセクハラそして性差別は、まだまだ氷山の一角に過ぎないのかもしれない。
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