最新記事

ハリウッド

セクハラプロデューサーは治療でヨーロッパに? 業界越えた大スキャンダル

2017年10月12日(木)19時10分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

2014年のカンヌ国際映画祭の檀上に立つワインスタインと女優ミラ・ジョボビッチ Benoit Tessier-REUTERS

<ハリウッドのセクハラ事件は米政界にも飛び火。収束の目途が立たない大スキャンダルはどこに向かうのか>

ハリウッドを震撼させている大物映画プロデューサーのハービー・ワインスタイン(65)による30年にわたるセクハラ行為。先週ニューヨークタイムズ紙やニューヨーカーが報じてから、同様の被害に遭ったとして女優やモデルが続々と名乗りを上げている。さらに政治的な癒着まで指摘されており、エンタメ界を超えて混乱を巻き起こしている。

勇気ある告発者

火付け役となったのは、ニューヨークタイムズやニューヨーカーが報じた記事で証言、潜入捜査にも協力した勇気ある女性たちだ。

ルチア・エバンス(歌手)
初めてワインスタインに出会ったのは2004年のニューヨーク。女優という夢を抱いていたエバンスは、仕事のミーティングと称して当時ワインスタインが経営していた「ミラマックス」のトライべッカにあるオフィスに招かれた。オフィスに着き案内された先にはワインスタインが一人で待っていたという。そんな密室でワインスタインはおもむろにペニスを出し、エバンスにオーラルセックスを強要したという。ニューヨーカーの取材に応じたエバンスは「絶対に嫌、止めて」と何度も強く拒否したと語っている。



アーシア・アルジェント(女優)
イタリア出身の女優アルジェントは1998年にミラマックスの手がけたサスペンスドラマ「B.Monkey」に主演したことで知られる。ワインスタインの被害に遭ったのはこの2年前に遡る。ニューヨーカーによると、当時21歳のアルジェントはカンヌ国際映画祭の会場近くにあるセレブ御用達のホテル「オテル デュ キャップ エデン ロック」のパーティーに招かれたという。しかし、会場で彼女を待っていたのは楽しいパーティーではなく、ワインスタインだった。通された部屋にはなぜか、裸にバスローブ1枚だけ着たワインスタインが一人。マッサージとオーラルセックスをするよう迫られたという。



アンブラ・バッチラナ(モデル)
2015年にミス・イタリアのタイトル争いに参戦していたモデルのバッチラナ。その渦中にニューヨークで上演中のショー「スプリングスペクタキュラー」のレセプションでワインスタインに出会った。その翌日、ワインスタインのオフィスで無理やり体を触られた。バッチラナは警察にこの件を通報。ハリウッドの大御所に対する性的暴行報告書を提出した。その後バッチラナは、警察の調査にも協力。バッチラナが持ち帰った、ワインスタインとの会話を記録したレコーダーには、自分がシャワーを浴びている姿を見るよう強要するワインスタインの様子が収められていた。


【参考記事】ハリウッドの人種差別は本当だった

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中