米民主党が勢い回復か、州議会選で巻き返し 11月ワシントンに注力
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10月12日、昨年の米大統領選の敗北を受けて党勢の立て直しを急ぐ米民主党が、このところ州議会の補欠選挙で相次いで勝利を収めている。写真はワシントンの米連邦議会議事堂。2013年3月撮影(2017年 ロイター/Gary Cameron)
昨年の米大統領選の敗北を受けて党勢の立て直しを急ぐ米民主党が、このところ州議会の補欠選挙で相次いで勝利を収めている。こうした場がトランプ大統領の保守的なアジェンダに抵抗する新世代の候補者や活動家を試す機会となっている。
ニューハンプシャー州からオクラホマ州に至る州議会の補欠選で、民主党は、共和党議員が保有していた8つの議席を奪った。いずれも、ローカルな問題が争点となった投票率の低い選挙に、数百万ドルの選挙資金を投じた結果だ。これらの勝利は、トランプ氏に敗北し、自身の議席数が歴史的な低水準に落ち込んだ民主党が、いかに逆襲を願っているかを示している。
とはいえ、連邦議会における数千の議席を争う2018年の中間選挙まで、民主党がこの勢いを維持するのは簡単ではない、とロイターの取材に応じた約20人の民主党指導者や政治の専門家は語る。
「われわれは有能な候補者を十分に集め、時代に合った選挙戦を展開することができるだろうか」。民主党政治ストラテジストのサイモン・ローゼンバーグ氏はこう自問する。
民主党は将来の指導者をリアルタイムで試さなくてはならない状況だと同氏は指摘。「準備はできているのか。その答えは、まだ分からない、だ」
11月には、民主党は初期段階の示唆を得る。
最重要の試金石とみられているのは11月7日に行われるワシントン州議会の補欠選挙だ。ここでは、民主党の新人女性候補マンカ・ディングラ氏がシアトル郊外の選挙区で議席を狙う。勝利すれば、民主党は州議会を完全に掌握できる。
検察官で学校関係のボランティア活動にも力を入れるディングラ氏は、シーク教徒のインド系米国人。昨年の大統領選で、ビジネスマンのトランプ氏がベテラン政治家のヒラリー・クリントン氏を破ったサプライズが、政治に目覚めるきっかけとなった。
だがディングラ氏は、態度を決めていない有権者を前にした選挙演説では、大統領について触れないようにしている。
「トランプ氏に対するリアクションは、ボランティアを活性化させることで起きる。傍観者ではいられないと、私のように行動を起こした人がたくさんいる」
選挙ボランティアを申し出た人は、彼女のサイトを通じた申し込みだけで2000人近くとなり、民主党が言うところの「前代未聞の議会選挙への関心」を証明する形となった。
ディングラ氏が共和党のライバル候補に10ポイントの差をつけた8月の予備選は、投票率が比較的高くなり、普段予備選では投票しないという有権者6000人も投票した。