米民主党が勢い回復か、州議会選で巻き返し 11月ワシントンに注力
だがワシントン州の外では、2018年の中間選挙を控え、民主党が若干の勝利を収めたところで政治勢力図が大きく変化する訳ではない。
共和党は、26の州政府と、3分の2の州議会で議決権を握っている。民主党は、オバマ前政権の8年間に国政選挙に関心を注ぎ、州議会レベルでは力を失った。
民主党は今では、党再建には州が不可欠だと認識している。また、民主党が主導した医療保険制度改革や環境保護政策を骨抜きにし、移民の取り締まりを強化しようというトランプ氏の政策を押し戻す議案を前進させる機会でもあると考えている。
有権者に届け
民主党は、大量のボランティアを動員して有権者3000万人にコンタクトしようと計画している。2016年の州議会議員選挙で接触した数の倍の数字だ。
「ワシントンの政治が行き詰っているため、トランプ大統領からの防護壁として州議会に注目する人が増えている」と、民主党議会選委員会のジェシカ・ポスト氏は話す。
だが、多くの経験値の低い民主党候補者は、来年の選挙で投票率を高め、歴戦の現職議員を破らなければならない。
「もし民主党の勢いが最大になり、投票日が荒れれば、われわれの圧倒的多数は崩れて、単なる多数になるかも知れない。だがそれでも、われわれは多数派だ」と、共和党関連組織GOPACのデービッド・アベラ氏は言う。
民主党は2017年、フロリダ、オクラホマ、ニューハンプシャー、ニューヨークの各州議会補欠選挙で、共和党が保持していた議席を奪った。一方の共和党は、ルイジアナ州議会補選で候補者が無投票で当選を果たした。
2016年の選挙でトランプ氏が65%の得票率で勝利したオクラホマ州では、同氏が取った選挙区3つで、民主党候補者が議席を奪った。各候補者は選挙戦で、学校が週4日制に追い込まれるほどの財政危機など、ローカルな問題を積極的に取り上げた。
勝利した民主党候補者は、「ナンシー・ペロシ(民主党下院院内総務)やヒラリー・クリントンやバラク・オバマにくっついていない、リアルな市民であることを訴えることができた」と、オクラホマ州民主党議長のアンナ・ラングソーン氏は言う。
補選での勝利は、新興の革新グループが有権者に投票を呼び掛けたことを反映した面もある。だがそれを2018年の選挙に向けてどう拡大するかは、今後の課題だ。