北朝鮮に安保理の制裁決議の影響 燃料価格が高騰
石油不足に耐性
米エネルギー情報局によると、北朝鮮の原油消費量は、1970年代や1980年代の工業生産の最盛期に比べて、大幅に減少している。同局によると、冷戦の終結後、中国とソ連から特別価格での原油供給が停止され、原油消費量は1991年の1日当たり7万6000バレルから昨年は推定1万5000バレルまで減った。
小規模の太陽光発電が北朝鮮では広まっており、アパートのバルコニーには、調理や電灯用に電力供給するソーラーパネルがよく見られる。
中国はここ数年間、北朝鮮向け原油輸出量を公表していないが、業界筋によると、年間52万トンあまりを老朽化したパイプラインで供給している。
このパイプラインは、中国北東部の大慶油田産の粘度の高い原油がパイプに詰まらずに流れることができる最低限のレベルで運用されていると、業界幹部は明らかにした。
かつて北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で韓国の首席代表を務めた千英宇・元大統領府外交安保首席秘書官は、北朝鮮は、石油輸入が停止しても1、2年は耐えることができるとみている。
「北朝鮮の人は厳しい経済状況下での暮らしに慣れきっており、仮に石油の禁輸が実現しても、最低でも1年は何とか暮らせるだろう」と、千氏は言う。「備蓄してある石油は上層部の間で最低限の配給制にし、車やトラクターなどは、牛が引く荷車や人の労働力に置き換えるなどするだろう」
「石炭や木材、植物など、手に入る物で何とか燃料を生産するだろう」と、千氏は付け加えた。
(Sue-Lin Wong記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
[丹東(中国遼寧省) 13日 ロイター]
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