いいかげんな中国検閲、英ケンブリッジ大への遮断リストで浮き彫り
共産党によるニュースや情報の検閲は、時に逆効果を生んだり、外部の人間を困惑させたりしてきた。
2009年には、パソコン上のポルノ画像や暴力的画像をチェックするソフトウエアが、猫のアニメキャラのガーフィールドを描いた映画ポスターや、肉色鮮やかな豚肉料理、映画俳優ジョニー・デップさんの顔のアップ写真をブロックした。
カナダのトロント大の研究者グループ「シチズン・ラブ」が、中国で人気のライブ中継サイトで昨年までに禁止された単語のリストを作ったところ、「ムーラン・ルージュ」や「ウサギの煮込み」「ヘリコプター」「禅」などの単語が含まれていた。
今回CUP側に閲覧遮断要請を伝えたのは、書籍輸入業者だった。だが検閲の指示がどこから来たか明らかにならない限り、明確な結論を出すのは難しいと、仏社会高等研究院で中国を研究するセバスチャン・ベグ氏は言う。
「検閲システムはもちろん政府の指揮下にあるが、一様なものではない」とベグ氏は言う。
香港教育大の李肇祐助教は、今回の遮断要請は、観測気球だったとみている。
「彼らはいつも、小規模なところから初めて次第に拡大し、要請を難しいものにしていく。今回は、中国政府が、国際的な学術出版社にも影響を及ぼすことができるかどうか確かめた最初の一手の1つかもしれない」
(John Ruwitch記者、翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)