キム・ギドク監督だけでない! 韓国の女優ら、撮影現場の暴力を告発
キム・ギドクの報道資料がマスコミに配布された5日後の8月8日、告訴に関して映画界及び女性団体で構成された共同対策委員会が記者会見を開いた。記者会見では「それは演出ではなく暴力である」と大きく書かれた垂れ幕が掲げられ、委員会代表が「公正で徹底的な捜査を期待するとともに、映画界の誤った演出習慣を見直すとともに、すべての映画関係者の人権が守られることを願うため、この記者会見を開いた」と話した。なお、この会見場に渦中の女優Aは姿を現すことはなかった。
この事件をきっかけに、キム・ギドク監督作品以外の映画やドラマの現場で行き過ぎた演出、女優の人権を無視しているともとれる行為がどんどん明らかになっていく。8月9日、トーク番組に出演したジョン・ダヘは、ドラマ「品位のある彼女」でパスタ麺を顔に投げられるというシーンで、監督は台本にある通り「熱々のパスタ麺」を投げつけるように指示したと暴露。しかし相手役の女優の心遣いのおかげで冷ましたものを使って撮影が進められた。
また、映画「見晴らしの良い家」に出演したタレント兼女優のクァク・ヒョンファは、監督のイ・スソンを現在告訴している。2012年に劇場公開されたこの映画では、女優側の要望で胸の露出するシーンは無いように編集され公開された。しかし、その後インターネットTVでは胸の露出シーンがある再編集したバージョンが放送されたのである。クァク・ヒョンファは、イ・スソン監督を性暴行処罰法違反で告訴。1審判決では無罪が言い渡され、現在2審判決を待っている状況だ。
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