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英王室【写真特集】公務引退の英王室フィリップ殿下、帽子にみる装いの粋
<頼れるポーラーハット>最後の公務でかぶったこの帽子は、19世紀半ばに英国で誕生。地味なスーツやコートもクラシックな装いに引き上げる便利アイテムとして、フィリップもよく活用した Hannah Mckay-REUTERS
<先頃、公務から引退したエリザベス女王の夫フィリップ殿下。英国紳士らしい装いが評判だが、その背景には外国王家出身ゆえの苦労があった>
英王室のエリザベス女王が52年に即位して以来、妻を支えてきたエディンバラ公フィリップ殿下(96)が8月2日、ついに公務から引退した。女王の公務に同伴する以外にも、単独で行った公務は2万2000回以上。2日は雨の降るなか、海兵隊の閲兵式に出席した。最後に、愛用のボーラーハット(山高帽)を取って声援に応えた姿は、多くの人の記憶に刻まれただろう。
英王室のファッションでは女王が注目されがちだが、実はフィリップ殿下も洗練された着こなしで有名。16年に英GQ誌が行った「イギリスで最もおしゃれな男性トップ50」では、孫のウィリアム王子やヘンリー王子を抜いて12位に。「常に英国的で男らしく、立場をわきまえた装い」とデザイナーのジョン・レイが評するとおり、正装もカジュアルも英国らしさにとことんこだわる正統派。
スーツは40年以上、ロンドンの同じテーラーで仕立て、愛用の帽子もボーラーハットやハンチング帽など「英国生まれ」ばかりだ。
【参考記事】ヘンリー王子が語った母の死と英王室(前編)
こうした強いこだわりは「よそ者」としての苦労から生まれたのかもしれない。もとはギリシャ王室の王子として生まれ、ドイツやロシアにも血統がつながることから、結婚する際もさまざまな壁に直面した。英国人らしく装い、振る舞うことで誰もが認める「女王の夫」になろうとしたのかもしれない。その努力は見事に報われた。
【参考記事】エリザベス女王91歳の式典 主役の座を奪ったのはあの2人
<本誌8月8日発売最新号掲載>
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