議会選圧勝のマクロン新党、改革実行は労組の協力がカギ
労組の団結には疑問符
フランスは、先進国の中で最も労組加入率が低い国の1つだが、労働者のほとんどをカバーする集団合意の合意形成などで、労組は大きな影響力を維持してきた。
しかし近年では、ストライキの頻度が落ちて影響が小さくなり、成功を収める割合も減ったことから、労組は退潮傾向にある。
労組間の対立は、昨年オランド政権がより限定的な労働改革を進めることを容易にした。CFDTが改革案を支持した一方、共産系のCGTは数週間もデモ活動を行って阻止しようとしたが不首尾に終わった。
他の労組が協調に動くなか、CGTとCFDTの組合員の間の不和は続いている。CFDTは今年、CGTを抜いてフランス最大の民間部門労組となった。
「もしCGTが孤立の恐れを自覚するなら、他の労組に接近しなくてはならない。だがその準備はまだないように見える」と、労働問題のシンクタンクを主宰し、かつてCGTの組合員だったジャンドミニク・シモンポリ氏は指摘する。
マクロン氏が圧倒的勝利を収めたことで、一部の強硬派が、影響力が残っていることを示すために、闘争に固執する可能性もある。
ジャンリュク・メランション氏の急進左派政党は、フランス国民の多くが大事にしている労働者の権利をマクロン氏がないがしろにすれば、「社会闘争」を行うと宣言している党の一つだ。
メランション氏は、今回の選挙で南部マルセイユの議席を獲得し、こう気炎を上げた。「私は、新政権に対し宣告する。労働法制を巡る闘争で、一歩も譲ることはない」
(Leigh Thomas記者、Caroline Pailliez記者、翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
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