東南アジアのISIS対策 「無法地帯」の海上制圧が鍵
戦闘員の容疑者情報は共有されているものの、フィリピンにおけるフォローアップ不足について若干の苛立ちがある、とマレーシアのある政府当局者は明かす。
「課題の1つは、戦闘員がフィリピン南部に入った後の追跡調査だ。現場で彼らに向き合えるのはフィリピン軍だけだ」と同当局者は匿名を条件に語った。
一方、フィリピンの当局者は、ムスリムが多数を占める一部の地域では武力紛争が増加しており、これに対応するために同国の治安当局は「あらゆる手を尽くしている」と語る。
「軍だけでなく、政府でも全体的な努力をしている」と軍最高司令官のエドアルド・アノ将軍は先週、記者団に語った。
域内のテロ問題を専門とするシドニー・ジョーンズ氏は、フィリピンを「弱い輪」と表現し、同国の警察、軍部、情報機関それぞれの連携不足を批判。「他の東南アジア諸国に比べて、治安関連機関が完全に(連携することなく孤立する)サイロ化していることが多い」
「フィリピンは長年にわたって反体制勢力に対処してきた事実があり、そのため、IS系組織という新たな現象にやや鈍感になっているのではないか」とジョーンズ氏は苦言を呈した。
(翻訳:エァクレーレン)
[シンガポール 14日 ロイター]