コミー前FBI長官「ロシア疑惑捜査妨害で解任」 司法妨害に言及せず
6月8日、コミー米FBI前長官(写真中央)は、上院公聴会で証言し、トランプ大統領に突如解任されたことについて同大統領を非難した。(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)
コミー米連邦捜査局(FBI)前長官は8日、上院情報委員会の公聴会で証言し、トランプ大統領に突如解任されたことについて、大統領選時のトランプ陣営とロシアとの癒着を巡る疑惑に関する司法省の捜査を阻害することが目的だったとして、同大統領を非難した。
コミー氏は2時間を超える証言で、トランプ大統領による5月9日の解任後、トランプ政権は嘘をつき、自身とFBIの名誉を傷つけたと非難。より広範なロシアとの癒着疑惑を巡る調査の一環としてのフリン前大統領補佐官に対する捜査を中止するようトランプ大統領からの要請があったと理解しているとし、こうしたことに困惑したと語った。
ただこうした要請が司法妨害にあたるかどうかについて言及することは避けた。また、トランプ陣営とロシアとの癒着を巡る疑惑についても新たな情報は公表しなかった。
コミー氏によると、トランプ大統領は2月、ロシアによる米大統領選介入疑惑を巡る捜査の一環として行われていたフリン氏の捜査から手を引くよう同氏に要請。
コミー氏はこの要請について「極めて当惑し、憂慮した」としつつも、「私と大統領による会話が司法妨害にあたるかどうについては、私が見解を述べることはできない」と語った。
トランプ大統領が実際にフリン氏の捜査を中止するよう指示したのかとの共和党議員からの質問に対しては、大統領の用いた「言葉は命令ではない」としたうえで、「自分は指示と受け取った。米大統領が自分と2人きりになって『これを望む(I hope this)』と述べれば、『これが自分に期待されていること(this is what he wants me to do)』と解釈する。自分はこの指示に従わなかったが、そういう風に受け取った」と語った。
また、マルコ・ルビオ上院議員(共和党)は、トランプ氏の大統領としての立場やその時の状況などから、フリン氏の捜査中止を大統領による命令として受け取ったかと質問。これに対しコミー氏は「その通りだ」と答えた。