一帯一路会議が閉幕 中国主席「幅広い合意と成果得られた」

5月15日、中国の習近平国家主席は2日にわたって開いたシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議について、幅広い合意に達し、前向きな成果が得られたと表明した(2017年 ロイター/Jason Lee)
中国の習近平国家主席は15日、2日にわたって開いたシルクロード経済圏構想「一帯一路」の国際会議について、幅広い合意に達し、前向きな成果が得られたと表明した。会議閉幕に際し記者団に対して述べた。
「一帯一路」構想は参加の是非をイデオロギーに基づいて判断することはなく、誰にでも開かれている、と強調。オープンな世界経済と、グローバル化のリバランスを目指し、貿易自由化を志向すると語った。
また、同構想の将来について自信を持つあらゆる理由があると指摘。道のりは依然として長いものの、すべての関係者が共に協力すれば、「平和と繁栄」への道は到達可能と強調した。
次回の「一帯一路」会議は2019年に開催するとした。
今回の会議の共同声明によると、各国首脳は、世界貿易機関(WTO)を中心に、ルールに基づいたオープンな多国間貿易システムを推進することで合意した。
世界経済が直面する課題を認識し、アジア・欧州間の接続を促す取り組みを歓迎。公平な条件に基づいて貿易・投資を拡大することが重要との見解で一致した。
また地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の締約国に対し、合意の完全な実行を促した。
中国の「一帯一路」構想は、トランプ米大統領が掲げる「米国第1主義」と対照的。ただ習主席が発表したインフラ投資や貿易促進に向けた1240億ドルの投資計画について、一部から中国の世界的な影響力拡大のほか、透明性の問題などをめぐり懸念が出ている。
欧州委員会のカタイネン副委員長は15日、ロイターに対し「欧州委は加盟国を代表して通商問題などに関して交渉する権限を持っているが、(閣僚声明の)文言に関して交渉する機会が与えられなかった」とし、このため欧州委は閣僚声明には署名しないと表明。
ただ、「実施する必要がある項目について共通の理解が得られたのは非常に前向きだった」とし、欧州委が閣僚声明の署名しないことはそれほど重要なことではないとの考えを示した。