トランプ政権の公的医療保険「改正」案、無保険者2300万人に
オバマケアは、妊娠出産ケアや入院など10項目の「エッセンシャル・ヘルス・ベネフィット(基本的医療給付)」を保険契約に入れるよう保険会社に義務付けているが、この規制も免責条項の対象になる。
連邦政府の財政に与える影響については、今回の代替法案の下では、現行のオバマケアと比べ、今後10年にわたる財政赤字が1190億ドル削減されると、CBOは試算している。赤字の削減額は前回提出された代替案よりも320億ドル少なくなる。
CBOは、前回の共和党案では、2026年までに新たに2400万人のアメリカ人が無保険者になると予測していた。その多くは、メディケイド(低所得者医療保険制度)への連邦政府の予算が9000億ドル近く削減され、低所得者、高齢者、障害者に対する公的保険の規模が縮小されることによるものだ。
低所得者向けを削減
メディケイドの予算削減は今回の代替案にも残っており、上院の共和党穏健派はこの点にも難色を示している。特にオバマケアの下でメディケイドを拡大した州出身の議員には受け入れ難い内容だ。
下院を通過した代替案は世論にも不人気だ。モンマス大学の最新の世論調査では、この法案を支持すると答えた人は32%、支持しない人は55%だった。民主党支持者の84%、無党派層の56%が支持しないと答え、共和党支持者の71%が支持すると答えた。共和党指導部には気の毒だが、CBOの報告で支持率が大幅に上がることは期待できない。
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