プーチン、トランプ狂想曲を笑う----「政治的な統合失調症」とも
それに追い討ちをかけたのがニューヨーク・タイムズの報道だ。選挙戦中にキスリャクと接触した疑いでマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任に追い込まれた翌日、トランプはコミーと会い、フリンとロシアの関係についてこれ以上捜査しないよう求めたというのだ。
事実ならば、司法妨害に当たる可能性がある。議会では民主党議員らを中心にトランプ政権とロシアとの関係について独立した調査が必要だとの議論が高まっている。アル・グリーン下院議員(テキサス州選出・民主党)は17日、下院で長々と演説を行い、弾劾を求める動議を出した。共和党のジャスティン・アマッシュ下院議員もニューヨーク・タイムズの報道が事実であれば、弾劾の要件を満たすと述べた。
そして同日、米司法省は大統領選介入でロシアとトランプ陣営が連携していたかどうかの捜査を指揮する特別検察官として、ロバート・ミュラー元連邦捜査局(FBI)長官を任命したことを明らかにした。
FBI、CIAなど米情報機関はほぼ軒並み、ロシアが昨年の米大統領選中に一連の大規模なサイバー攻撃を行ったことは確かだと見ている。ただし、プーチンがトランプを勝たせるために介入した、もしくはトランプ陣営が何らかの形でロシアと共謀した可能性については、はっきりした結論は出ていない。 ロシア疑惑をめぐる米政界のドタバタ劇は、プーチンにとっては最高のエンターテインメントになっているようだ。
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