スイスの高級腕時計ブランドにグレーマーケットは必要悪か
偽造品とは違い、グレーマーケットで販売される腕時計は、合法的な真正品であり、正当な所有者によって販売されている。だが、ブランド側は正規のネットワークで販売された腕時計以外の修理を拒んでいるため、保証書は付かないのが一般的だ。
これにより購入意欲を削がれる人もいるだろうが、より価格に敏感な他の買い手は、実際オンラインショップの利便性を好んでいるのかもしれない。こうしたショップは、古い腕時計の下取り、ローン仲介、最安値保証、独自保証や修理サービスなどで潜在顧客を誘っている。
ランドール氏によれば、顧客に迅速に商品を届けるため、ほとんどの商品は米国内で調達しているものの、ドル高のおかげもあって、欧州で有利な取引が実現する場合もあるという。
「つい先日もジャケ・ドローの素晴らしい『エクリプス』をシカゴのビジネスマンに販売したが、チューリヒから有利な条件で仕入れ、迅速に出荷することができた。仕入れ価格が非常に安かったので、顧客には、さらに2000ドル値引きを行った」とランドール氏は言い、定価2万9300ドルから22%引きでその腕時計を売ったと付け加えた。
カラチに住むサイフッラー・カズミさんは、タグ・ホイヤーカレラを「Jomashop.com」でほぼ半額で購入し、親戚にパキスタンに持ち帰ってもらった。地元店舗で調べたところ、真正品だと確認されたという。
カズミさんは、当初はこのショップの合法性を疑い、保証書が付かないことを気にしていたが、大幅な値引きの魅力には勝てなかった、と語った。
(翻訳:エァクレーレン)