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朝鮮半島

韓国THAAD早ければ4月にも配備へ 中国が猛反発

2017年3月1日(水)06時34分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

もともと、サードの配備予定地は慶尚北道星州郡にある韓国軍基地内が予定されていたが、地元住民らが電磁波による健康への影響や北朝鮮側の標的になることを心配して強く反対し、広大な敷地をもつロッテのゴルフ塲に変更されたという経緯がある。

参考記事:韓国政府、サード配備予定地ロッテグループのゴルフ場に変更

それでもなお住民が反対するのは、本来軍事施設については「国防・軍事施設事業に関する法律」によって事業計画を公告して土地の所有者および利害関係者の意見を聴取したり、「環境影響評価法」に従い、環境への影響を評価しなければならないが、国防部がこれらを一切行っていないためだ。住民らは国防部長官に対し、これらについて「不作為の違法確認」の行政訴訟を起こす予定だという。

早ければ4月にも一部配備か?

実際に配備される時期について聯合ニュースなどによれば、国防部の関係者は「環境影響評価が5〜6月には終了する」と話しており、配備は6〜7月ごろになる可能性が高い。

一方、TV朝鮮は政府筋からの情報として、「敷地内の工事が終わらなくても、ミサイルやレーダーなどのサードの砲台部分のみ、先行して韓国に搬入する」という方針が、2月上旬のマティス米国防長官の訪韓時にハン・ミング国防長官との間で交わされたと報じている。

国会で弾劾が可決されたパク・クネ大統領によってサード配備が決定されたという経緯を考えると、韓国に新しい大統領が誕生する前に、砲台部分だけでも運び入れ、サード配備を既成事実として撤回できないようにしたい、というのがマティス米国防長官の意図だったようだ。

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