最新記事

朝鮮半島

韓国THAAD早ければ4月にも配備へ 中国が猛反発

2017年3月1日(水)06時34分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部


中国、強行に反対表明 ロッテ不買運動も展開


北京駐在韓国大使の取材キャンセルなど中国側の反応を伝える韓国SBSニュース SBS / YouTube

だが、今回のサード配備予定地契約に一番激しく反対を唱えているのは中国政府だ。韓国とアメリカはサードはあくまで北朝鮮のミサイルへの抑止力だと表明しているが、中国も射程に入るため、中国政府はサードを「国家安全保障上の脅威」として、配備に反対している。

CBSノーカットニュースによれば、中国国営メディアは28日、一斉に社説で韓国のサード配備に向けた動きを激しく非難。また、その矛先は配備予定地を提供したロッテにも向けられた。

国営新華社の時評「中国はこんなロッテを歓迎できない」は、「サードの韓国配備が事実上決定したことに関し、両国の各分野における協力は、致命的な衝撃を受けるだろう。巻き込まれたロッテもかなりの損失を負うことになる。これもやはり自分が撒いた種の代償だ。ロッテが土地を提供できるように、中国の消費者たちも、国の安全保障に向けてこのような企業に対して「NO!」と言える」とロッテへの不買運動を呼びかけた。

「人民日報」系の国際情報紙・環球時報は、社説「ロッテと韓国を罰するのが、中国の唯一の方法」で、「ロッテグループが中国市場で発展することにピリオドを打つべきだ。 中国の国家利益に害を及ぼす外部勢力に一罰百戒をしてこそ、大国が持つべき威厳を備えることができるようになる」とし、ロッテだけでなく、韓流コンテンツと韓国商品に対する広範囲な不買運動も提案した。

また、人民日報の海外版ソーシャルメディアである俠客島は「次期韓国政府が中韓関係を改善するためには、サードの問題を必ず越えなければならない。韓国がどんなやり方を書いても、中国は絶対サードの配備を容認しない」と強調。さらに「韓米日のトライアングルを乗り越えていくために、ロシアとの軍事的協力が重要だ」とも主張した。

さらに、中国国営の新華社は、28日夜に予定していた北京駐在のキム・ジャンス韓国大使へのインタビュー取材を前日夜に一方的にキャンセルしたことも明らかになった。

パク・クネ政権発足当初は、AIIBへの参加を表明するなど世界経済で存在感を強めている中国との蜜月ぶりを見せていた韓国だが、今や北朝鮮をはさんで両国の対立は深刻になりつつあるようだ──。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新型ミサイルのウクライナ攻撃、西側への警告とロシア

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中