韓国THAAD早ければ4月にも配備へ 中国が猛反発
中国、強行に反対表明 ロッテ不買運動も展開
だが、今回のサード配備予定地契約に一番激しく反対を唱えているのは中国政府だ。韓国とアメリカはサードはあくまで北朝鮮のミサイルへの抑止力だと表明しているが、中国も射程に入るため、中国政府はサードを「国家安全保障上の脅威」として、配備に反対している。
CBSノーカットニュースによれば、中国国営メディアは28日、一斉に社説で韓国のサード配備に向けた動きを激しく非難。また、その矛先は配備予定地を提供したロッテにも向けられた。
国営新華社の時評「中国はこんなロッテを歓迎できない」は、「サードの韓国配備が事実上決定したことに関し、両国の各分野における協力は、致命的な衝撃を受けるだろう。巻き込まれたロッテもかなりの損失を負うことになる。これもやはり自分が撒いた種の代償だ。ロッテが土地を提供できるように、中国の消費者たちも、国の安全保障に向けてこのような企業に対して「NO!」と言える」とロッテへの不買運動を呼びかけた。
「人民日報」系の国際情報紙・環球時報は、社説「ロッテと韓国を罰するのが、中国の唯一の方法」で、「ロッテグループが中国市場で発展することにピリオドを打つべきだ。 中国の国家利益に害を及ぼす外部勢力に一罰百戒をしてこそ、大国が持つべき威厳を備えることができるようになる」とし、ロッテだけでなく、韓流コンテンツと韓国商品に対する広範囲な不買運動も提案した。
また、人民日報の海外版ソーシャルメディアである俠客島は「次期韓国政府が中韓関係を改善するためには、サードの問題を必ず越えなければならない。韓国がどんなやり方を書いても、中国は絶対サードの配備を容認しない」と強調。さらに「韓米日のトライアングルを乗り越えていくために、ロシアとの軍事的協力が重要だ」とも主張した。
さらに、中国国営の新華社は、28日夜に予定していた北京駐在のキム・ジャンス韓国大使へのインタビュー取材を前日夜に一方的にキャンセルしたことも明らかになった。
パク・クネ政権発足当初は、AIIBへの参加を表明するなど世界経済で存在感を強めている中国との蜜月ぶりを見せていた韓国だが、今や北朝鮮をはさんで両国の対立は深刻になりつつあるようだ──。