北朝鮮へ外交努力か先制攻撃か 試されるトランプ大統領の決断力
中国はTHAADを自国への脅威とみなしており、対北朝鮮制裁強化への関与を弱らせることになると、外交関係者は語る。
ある政権関係者は「しっかりした事実を基にすべての選択肢を調整する必要がある」とし、メディアは軍事オプションを大きく取り上げすぎだと指摘。「パンチ力があり、従来より威力ある制裁を行うには、中国の協力にある程度かかっている」と語った。
軍事オプション
戦略国際問題研究所(ワシントン)のボニー・グレイサー氏は、中国が取り得る対策として、北朝鮮と違法な金融取引を行った銀行の閉鎖、ダミー会社の摘発、原油輸出の停止、北朝鮮労働者の国外追放などを挙げる。
同氏は軍事オプションに反対の考えを示す。これまでの対話は失敗に終わったものの、トランプ氏が外交による解決を試そうとしても驚きはないとみている。
一つの考えとして、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結をまず協議することはあり得るという。
グレイサー氏は「北朝鮮は核兵器保有国として認知するよう求めるかもしれないが、その場合、米国がその点で譲歩するかどうか決断する必要がある」と述べた。
一方、ブッシュ(子)政権下で北朝鮮問題に関与した元外交官のエバンス・リビア氏は、経済制裁や軍派遣、秘密作戦を採用すべきだと指摘する。
こうした戦略を機能させるために必要なリスクをトランプ氏が容認するかどうかはなお不明だ。
ある政権幹部は「この政権は手持ちのカードに基づく選択肢を考え出そうとしており、(北朝鮮の)体制変革といった大きな変化を起こすつもりはないだろう」と語った。
(Matt Spetalnick記者 David Brunnstrom記者)