金正男暗殺事件、マレーシア首相が北朝鮮を暗に批判 対立が鮮明に
マレーシア側を非難するカン北朝鮮大使 REUTERS - Athit Perawongmetha
<金正男の暗殺事件発生直後は遺体引き渡しなどで北朝鮮に協力的な姿勢を見せたマレーシアだが、次第に北朝鮮と距離を置くようになっており、20日にはマレーシア側が北朝鮮から大使を召還するなど、両国のみぞが深まりつつある。その一方、容疑者として逮捕された北朝鮮国籍の男の素顔が分かってきた──>
12日にマレーシアのクアラルンプール空港で、北朝鮮の金正恩総書記の異母兄、金正男が暗殺された事件が発生してから1週間が経ち、次第にマレーシアと北朝鮮の間の対立が目立つようになってきた。
韓国メディアのイーデイーリーによれば、この間、在マレーシアのカン・チョル北朝鮮大使は17日、金正男の遺体があるクアラルンプールの病院前で記者たちに向かって「マレーシア政府が敵対勢力と結託して何かを隠そうとしている。検視の結果を信じることは出来ない」と語り、遺体の即時引き渡しを求めたのにもかかわらず検視が行われ、引き渡しも応じられないままになっていることに対する不満をぶつけていた。
これに対して、マレーシア政府は20日、カン北朝鮮大使を外務省に呼び「(17日の)カン大使の批判はいわれのないものだ」と抗議し、さらに平壌の自国大使を召還した。なお、
マレーシア政府の呼び出しから戻ったカン北朝鮮大使は、記者団に向かって「マレーシア政府と韓国政府が結託して、北朝鮮が背後にいるように見せかけている。マレーシア警察は昨日の記者会見で虚偽の主張をした。捜査結果を信じることができない」と語り、マレーシアは我々と合同捜査を行わなければならない」と語り、マレーシア側を厳しく批判した。
さらにカン北朝鮮大使は続けて「大使館はすでに死亡者がパスポートに記載されたキム・チョルと確認したが、マレーシア警察は死因と容疑者の犯行容疑を確認できないまま、北朝鮮に敵対的な勢力が主張する死亡者の別の名前(金正男)に注目を集めた」と指摘した。北朝鮮側は、キム・チョルと金正男が同一人物ではないことを強調しようとしているのだ。
カン北朝鮮大使は「今回の死亡事件が自然要因によるものではなく、マレーシアにいた北朝鮮国民が殺害されたものであり、責任は完全にマレーシ側にある」と強くマレーシア側を批判した。