金正男暗殺事件、マレーシア首相が北朝鮮を暗に批判 対立が鮮明に
これに対して、マレーシアのナジブ・ラザク首相も記者団に対して「わが国の警察と医師たちは非常に極めて専門的であり、彼らは全てのことに非常に客観的に取り組んでいるという点を、絶対的に信頼する」と語り、さらに「この犯行を北朝鮮側の仕業だとあえて非難する理由がない。私たちがマレーシアの法律を適用するという事実を北朝鮮には理解してほしい」と訴えた。
韓国メディアNEWSISによれば、マレーシアは1973年に北朝鮮と韓国と同時に国交を結んだ数少ない国であり、北朝鮮の国民はビザ無しで出入国が可能になっているという。韓国の外交関係者は「北朝鮮側が金正男暗殺の実行場所をマレーシアに決めたのも出入国が自由だからだ」と指摘している。
また、TV朝鮮は、この北朝鮮側からの「共同捜査」提案について、過去の北朝鮮による工作事件でも、1987年の大韓航空機爆破事件、2010年の天安沈没事件の際にも北朝鮮から提案されており、北朝鮮の常套手段だと分析している。共同捜査という一見友好的な提案を打ち出すことで、当然拒否する相手国を非難するために先手を打つ手法である。
逮捕された男が、他の容疑者を手引きした?
北朝鮮側が、事件との関与を否定に躍起になっている20日、マレーシア警察にただひとり逮捕された北朝鮮国籍の男についても、その隠れた素顔の一部が明らかになってきた。
マレーシア警察当局によってただ一人逮捕された北朝鮮国籍の男、リ・ジョンチョル。彼はマレーシア政府発行の労働許可証「i-KAD」を所持し、そこにはIT業界の会社で働いていると記載されていることが分かっているが、果たしてその実態はどうだったのか?
韓国メディアJTBCは、リ・ジョンチョルが実際は健康食品の輸入に関わっており、さらに北朝鮮の人間を5人マレーシアに呼ぼうとしていたことが分かったと伝えている。