長嶺大使帰国から1か月 釜山少女像問題は解決するか?
この1カ月間、日本国内の各種世論調査では、日本政府の措置を支持するという回答が70%を超え、安倍政権の支持率も上昇した。安倍首相は「韓国側が動かない限り、大使は戻らない」と周辺に語っているという。
また岸田外相も7日の記者会見で、長嶺大使の帰任時期について「諸般の状況を総合的に検討し判断する」と述べるに留まり、また、「韓国政府に粘り強く日韓政府間の慰安婦問題の合意の履行を訴えていく」と韓国側に少女像の撤去を求めた。
なぜ韓国政府は動かないのか?
ここまで日本側がいらだっているのに対してなぜ韓国政府は手を打たないのだろうか? 一番の問題は朴槿惠(以下、パク・クネ)大統領が弾劾決議を受け、事実上、国政のトップが不在となっていることにある。ファン・ギョアン首相が大統領権限代行として実務に当たっているものの、あくまで暫定の代行ということで、国内外の懸案事項について強力なリーダーシップを打ち出せない状態が続いている。
また、パク・クネ大当郎の弾劾が成立すれば早ければ4月下旬にも新大統領を選ぶ選挙が行われる予定で、ファン権限代行としても慰安婦という国民の神経を逆なでする問題をあえて今触れたくはないという思惑もある。また、なにより一番大きな問題は、釜山の少女像はあくまで、釜山市東区という地方自治体の管轄する場所に、民間団体が設置しているということがある。このため韓国政府側としては、「民間でしていることなので、政府が関与するのは難しい」という基本的な立場をこれまで維持してきている。
少女像設置に反対するデモも
一方で、日本領事館前の少女像については、これを撤去せよという
市民が1月末から少女像の周囲に抗議ビラを貼るなどの活動を行いはじめて、少女像を設置した市民団体との間で火花を散らしている。