最新記事

昭和の食生活

ご飯を最後に食べる「会席料理式ダイエット」のすすめ

2016年11月16日(水)19時37分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 この方法は炭水化物系を少し減らすやりかたで、うまくいくと認知症や寝たきりの予防にも役立ちます。

 比較的やりやすいのが、3食食べていた炭水化物を2食にする方法です。ご飯やめん類、パンなどを1食分減らします。この方法なら、ご飯の代わりに肉や魚などを多めに食べればいいので、挑戦しやすい。

 ということで、私としてはかんたんで長続きする「会席料理式ダイエット」「炭水化物2食ダイエット」をおすすめします。

 そして、口に入れたものはよく嚙む。嚙むことによって脳の食欲中枢が満たされ、早く満腹を感じるので、食事の量も減り、ダイエットにもなるからです。よく嚙むことで顔中の筋肉が動き、表情もイキイキとしてきて若返ります。

 また、嚙むことで唾液が大量に出ますが、この唾液の働きがすばらしい。唾液の中には老化防止のパロチンというホルモンと消化酵素があるので、ダイエットに加え、アンチエイジングにも役立つからです。

「世界一健康にいい食文化」と賞賛される和食の最大の特徴は、素材が持っている本来の味を損なうことなく、生かして食べるところにあります。このような食べ方をすれば、食材に含まれている栄養成分もそっくりいただくことになり、健康効果も高い。調味料は最小限しか使いません。和食の素材主義の食べ方は、減塩にもつながり、高血圧の予防効果も高くなるのです。

 たとえば、繊細な日本食文化の華、刺身。旬の肴を食べやすく切って盛りつけるだけの料理・刺身は、和食の象徴です。切るだけなので、5分もかかりません。刺身は醬油とわさびの薬味だけで食べる食文化で、これが一番おいしく、体にもいい。和食グルメの真髄といってもいいでしょう。

 調味料を減らして、素材本来の味を楽しむ。みそ汁でも、煮物、炒め物でも、味つけは最小限にして、それでうまみを感じられる豊かな感性を育てる。後半のレシピ篇で、この趣旨に添ったかぼちゃの水煮を紹介していますから(221頁参照)、ぜひ試してください。かぼちゃ本来の素朴な甘さに感動し、調味料の使い過ぎに気づくはずです。

※シリーズ第2回:高野豆腐......凍り豆腐(高野豆腐)は植物性タンパク質の王様


『ひと月1万円!体にやさしい
 昭和のシンプル食生活』
 永山久夫 著
 CCCメディアハウス

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 5
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中