アメリカ大統領選、クリントンの白人支持基盤はなぜ崩壊したか
Eコマース(電子商取引)やホワイトカラーの企業、日本のオリンパスのような大手企業も同地域に移転してきた。リーハイ郡とノーサンプトン郡は、7万5000ドル(約800万円)以上の所得がある世帯の割合が州全体よりも高く、約36%に上る。
クリントン氏にとっては逃したくない地域と言えるだろうが、こうした郡に暮らす人々は、国全体と比べて、白人が多く、また高齢である。
高齢な白人層の票を支配したのはトランプ氏だった。
冒頭のマクアンドリューさんと毎週ポーカーゲームを楽しむ、かつてベスレヘムの製鋼所で働いた男性5人は、なぜクリントン氏がオバマ氏と同じように成功しなかったのかについて、それぞれ異なる見方をしている。
だが皆の意見が一致したのは、クリントン氏が説得力のあるメッセージを送ることができなかったということだ。
5人全員が生涯、民主党を支持してきたが、今回クリントン氏に票を入れたのは3人だけだった。
「彼女(クリントン氏)はこれまで通り、あらゆることを続けていくようだった。だが、多くの人は変えなければならないことがあると思っている」と、ケン・レイデンさん(80)は語る。レイデンさんはクリントン氏に投票したが、それは主に党への忠誠心からだった。「彼女は新しいことは何も示せなかった」とレイデンさんは語った。
(Peter Eisler記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
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