最新記事

制裁措置

北朝鮮制裁、生活目的の石炭輸出を禁じるアメリカ提案に中国が反対

2016年10月11日(火)18時19分

10月11日、北朝鮮が5度目かつ過去最大の核実験を強行したことを受け、国連安全保障理事会で北朝鮮に対する新たな制裁決議案が協議される中、「生活目的」での石炭輸出を北朝鮮に認める現在の国連制裁の抜け道をふさごうとする米国に対し、中国が人道支援は優先事項だとして難色を示しているようだ。写真は北朝鮮・新義州市の鴨緑江沿岸で石炭を積み込むトラック。対岸の中国・丹東市から3月撮影(2016年 ロイター/Jacky Chen)

 北朝鮮が5度目かつ過去最大の核実験を強行したことを受け、国連安全保障理事会で北朝鮮に対する新たな制裁決議案が協議される中、「生活目的」での石炭輸出を北朝鮮に認める現在の国連制裁の抜け道をふさごうとする米国に対し、北朝鮮への人道支援は協議での優先事項だとして、中国が難色を示しているようだ。

 中国の劉結一国連大使は8日、ロイターに「北朝鮮の人々の生活や人道的な必要性に影響を与えてはならない」とした上で、「緊張緩和に向けて取り組むよう各方面に促す必要がある」と語った。

 国連安保理は3月、北朝鮮が1月に実施した4度目の核実験を受け、国連加盟国に北朝鮮からの石炭や鉄、鉄鉱石の輸入を禁止する新たな制裁を科した。だが、北朝鮮の核やミサイル開発と関係がない、「生活目的」の取引は例外的に認めた。

 石炭は北朝鮮最大の輸出品で重要な外貨獲得手段。石油や食料品、機械製品などと取引される。

 パワー米国連大使は9日、3月の制裁決議を含むこうした適用除外措置が北朝鮮に悪用されているようだと指摘。「新たな制裁に関する交渉では、こうした点の修正を図りたい」と、訪問中の韓国ソウルで記者団に述べた。

[国連 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国の対抗措置は大きな間違い、「負け戦になる」=米

ビジネス

米国株式市場・寄り付き=大幅反発、ダウ1100ドル

ビジネス

ECBなど欧州当局、金融機関や債券市場の監視強化 

ビジネス

中国首相に交渉通じた解決求める、米国との関税問題で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 4
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 5
    これが中国の「スパイ船」...オーストラリア沖に出現…
  • 6
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 7
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 8
    反トランプのうねり、どこまで大きくなればアメリカ…
  • 9
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 10
    フジテレビが中居正広に対し損害賠償を請求すべき理由
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 7
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 8
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 9
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 10
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中