中国の習近平主席、党内ライバル派閥「抑え込み」で権力確立狙う
後継者選び
来年の党大会の時点で常務委員としての定年に達していないのは、習主席(63歳)と李克強首相(61歳、共青団派)の2人だけである。情報提供者と外交筋によれば、この2人が常務委員会でナンバー1、ナンバー2の地位を維持するものと広く信じられている。
過去の党大会での経緯に準じるならば、残りの5名が引退することはほぼ確実である。
有力候補のうち共青団派の3人、つまり李源潮副主席(李克強首相との血縁はない)、汪洋副首相、広東省党委員会書記である胡春華氏(胡錦濤前主席との血縁はない)が党大会で常務委員に選出されれば、常務委員会において同派が過半数を占めることになるが、関係筋によれば、これは習氏にとって容認できない事態だろう。
この3人は皆、現在、党中央政治局のメンバーである。
関係筋は、習氏が共青団派に対してさらに何か別の攻撃を計画しているかどうかは、ただちに明らかではないと話しており、習氏がどれほど努力しようと、これら3人の候補のうち1人は常務委員に選出されると予想されているという。
習氏は、減速した経済を浮揚させる改革を遂行し、自分の遺産をしっかりと受け継ぐ後継者を選ぶため、自分に最も忠実な者たちを登用したいと考えているという。
習氏のグループは、同氏が省長・党委員会書記を務めていた2002─2007年に支持基盤を築いた浙江省にちなんで、「浙江閥」と呼ばれている。また習氏は、彼自身と同じように党・政府・軍の上級幹部を親に持つ、いわゆる「太子党」(または「赤い貴族」)からの支持も得ている。
政府のトップ幹部と定期的に会っているという、指導部に近いある関係筋は、「習氏は共青団派を食い止めるためにあらゆる手を打っている。自身の息のかかった人物を常務委員に据えたがっている」と話す。
習主席の支持者が何人常務委員会入りを果たすかという問いは時期尚早だが、関係筋や外交筋によれば、習氏に近く、すでに政治局員になっている候補者が少なくとも2人いるという。習主席の参謀役である栗戦書氏と、中央組織部部長の趙楽際氏である。