前進できない野党の憂鬱:コービン労働党首再選
政党が選挙に勝つ必要はないのか?
これは根拠のないことではない。労働党員の間での彼の人気は置いといて、MORIの調査によれば、有権者全体でのコービン党首への満足度は、昨年9月の党首就任時で-3。その後、数字が持ち直したこともあったが、現在は-31だ。労働党支持の有権者の間でも、1年前は+31だったが、今は+1だ。
興味深いのは、労働党員だけの調査でも、次の総選挙での労働党の勝算は、「勝てるだろう」が35%、「勝てないだろう」が57%。コービンが60%を超える票を獲得して党首に再選されたことを思えば、彼に投票した人の中にも「勝てるわけない」と思っている人がけっこういるということだ。こうした風潮を嘆いているのが、コービンの非公式アドバイザーと言っても差し支えない左派ライター、オーウェン・ジョーンズだった。
権力を握ろうとするのは「ブレア派」のやることだと信じている人がいるようだ。ブレア派の政策を導入するために政権を取りに行くのがブレア派であり、社会主義の政策を導入するために政権を取りに行くのが社会主義者だろう。
7月末の時点で、彼はコービンとその陣営に対する危惧を正直にブログに書いていた(ガーディアンやニュー・ステイツマンの連載枠でなく、こっそりブログに書いたところがなんとも沁みる...)。
僕は崖を登っていく党に属している気がする。「パーティーを楽しめ!先のことをあれこれ考えるのはやめろ」と彼らは皆、叫んでる。でも僕はなんとかしたい。なんとかして、僕たちがあの崖から落ちることを防ぎたい。
一年前、党首選でコービンが勝利しそうだと分かった時に、「労働党は崖の先端から落ちようとしている」と言ったのはトニー・ブレアだった。